【鹿児島名物】黒酢の魅力をクローズアップ!

【鹿児島名物】黒酢の魅力をクローズアップ!

鹿児島名物の黒酢。名前の通り一般的な食酢とは違って色に特徴があり、褐色から黒褐色を帯びています。特有の香りとまろやかで濃厚な酸味があり、それでいて清涼感のあるさっぱりした後味です。今回はそんな黒酢を紹介します。

黒酢の特徴

屋外で約1年かけて製造される!?

仕込み発酵は屋内ではなく、屋外に並べた壺を使って行われるという、独特な製法で作られます。
同一容器の中で、6ヶ月以上かけて糖化、アルコール発酵、酢酸発酵し、さらに6ヶ月以上かけて熟成させるという、世界的に見ても非常に珍しい食酢なのです。

米酢に比べて約5倍の米を使用

原料米の精米歩合が高く、一般の米酢に比べて約5倍の米を使用します。この結果、濃厚な酸味や清涼感を与えるピログルタミン酸の含量や、うまみ成分であるアミノ酸の含量が比較的高くなり、黒酢独特のおいしさになるのです。

約200年の歴史がある黒酢

黒酢は1800年代初期から生産が開始されており、約200年の歴史があります。竹之下松兵衛が黒酢造りに成功し、その手法を確立させました。
第二次大戦前、福山町では、20数件の黒酢業者があり、旧薩摩藩の需要を100%賄っていました。

世界大戦を乗り越え、今でも愛され続ける黒酢

時代が進み世界大戦が勃発すると、原料米が途絶えただけでなく、廉価な合成酢が市場を占め、ほとんどの業者が転業を余儀なくされました。
しかしそんな中でも、原料米の代わりにさつまいもを使い、細々ながらその技術を守り続けた業者があったのです。
昭和40年頃から自然食品を求める声が高まり、黒酢は再び注目され始め、徐々に業者の数が増えました。

こうした歴史をたどり、現在も鹿児島県霧島市福山町を中心に黒酢は製造され続けています。

黒酢の名産地、鹿児島県霧島市

鹿児島県霧島市で生まれた黒酢

江戸時代から、鹿児島県霧島市福山町で黒酢は作られ始めました。世界的にも珍しい製造で作られる黒酢が、なぜ霧島市で今も製造され続けているのでしょうか。
黒酢づくりに適した、霧島市の特徴を解説します。

1.発酵に適した気候である

福山町郷土史によると、昭和27年の年平均気温は18.7℃で、全国的に見て比較的高いことが分かります。生産地が山に三方を囲まれ、残る一方は海に面した平地なので、1年を通して暖かいのです。
さらにもう一つの気温の特徴があります。それは日々の最高気温と最低気温の温度差が小さいことです。温度差が小さいことで、黒酢の製造過程での過熱・過冷を防げ、微生物が生育しやすく、黒酢製造に恵まれた気候だったことが挙げられます。

2.薩摩焼の壺が入手できたこと

黒酢製造に必要不可欠な仕込みに用いる薩摩焼の壺は、生産当初から現代まで形状が変わっていません。黒酢製造が始まった1800年代初期、この壺は、薩摩で日常の食用壺として焼かれていたことが分かっています。
黒酢造りにおいて、仕込みや発酵に適した壺を簡単に入手できたことは、非常に影響が大きいと思われます。

酢の栄養学

料理に使うと減塩にも

食酢には塩味を引き立たせる働きがあるため、料理に使うことで、減塩につながります。
さらに、酢を糖分と一緒にとることで、疲労回復効果が見込めるとされています。

食品の保存性を高め、食べやすくしてくれる

主成分の酢酸には細菌の増殖を防ぐ防腐効果があるので、食品の保存性を高める効果があります。
また煮物の際に食酢を加えると、魚の骨や肉を柔らかくしてくれるので、食べやすくなるのもうれしいポイントです。

まとめ

黒酢を使ってみよう!

鹿児島名産の黒酢。色やまろやかな風味には、製造にかける年月などたくさんの理由がありました。
減塩効果や疲労回復効果が期待できるので、スーパーなどで見かけたら1本手にしてみてはいかがでしょうか。


【参考文献】
・農林水産省 鹿児島の壺造り黒酢 
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/7.html(閲覧日2021年12月6日)
・地理的表示産品情報発信サイト「鹿児島の壺造り黒酢」
https://gi-act.maff.go.jp/register/entry/7.html(閲覧日2021年12月6日)
・農林水産省「食酢とはどのようなものですか。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2008/02.html(閲覧日2021年12月6日)

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