炭水化物はダイエットの敵なのか?!
「炭水化物抜きダイエット」ダイエットの定番!というほどの勢いで広まりましたね。炭水化物さえ減らせば、おかずはなんでも、好きなだけ食べていい。なんだか悪者のような炭水化物ですが、炭水化物はダイエットに必要ない「敵」なのでしょうか?
2015年02月18日
炭水化物は生きるために必要です
体や脳の活動に欠かせないエネルギー源
ダイエットの敵と思われがちな炭水化物ですが、炭水化物に含まれる糖質は、エネルギー源となる重要な栄養素で、脳にとっては唯一のエネルギー源となっています。 炭水化物を食べると、消化吸収されて糖となり、この糖が体や脳の活動に欠かせないエネルギー源になります。炭水化物が消化吸収されてできた糖は、血液や肝臓に蓄えられ、食事と食事の間に少しずつ供給されます。食事を抜くと、血液中の糖が少なくなり、イライラしたり、集中力が欠けてくるなど、心や頭にも重要な栄養素です。 大切な糖なので、使われずに余った分も簡単には体外に排出しません。将来不足した時に備え、余った糖は体内で脂肪に変わり、蓄えられてしまいます。これが問題なんですね。
やはり炭水化物はダイエットの敵?
炭水化物が不足すると...
体の脂肪を正常に燃焼させるための材料として、糖質から作られるオキサロ酢酸という物質が必要です。炭水化物が不足していると、脂肪をうまく燃焼できず、筋肉を壊してエネルギー源にしてしまいます。筋肉量が減り体脂肪は減らない、“かくれ肥満”になってしまいます。 長期的な炭水化物の制限で、死亡リスクが高まる可能性があるという報告もあり、痩せたいからと安易に炭水化物を制限してしまうのは、大変危険なのです!
炭水化物は余らせず必要な量をきちんと摂る
まとめると、炭水化物から作られる糖質は、生きていくために大切なエネルギー源です。余ると脂肪に変わり、体に蓄えられてしまいますが、脂肪を燃やし、筋肉を作るためにも欠かせない、ダイエットにも必要な栄養素ということです。大切なことは、“炭水化物は余らせず必要な量をきちんと摂る”ことなんですね。
炭水化物の摂り方のポイント
どれくらい摂ればいいの?
燃料切れを起こさないために、1日3回の食事のたびに炭水化物を摂りましょう。厚生労働省の“日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会”によると1食40g~70gの炭水化物の摂取が望ましいのではとされています。これをご飯の量に換算すると、1食あたり110g~190gになります。ダイエット中の人でも1食に110g程度のご飯を食べるとよいですね。(普通茶碗1杯は約140gです。)
炭水化物には他にもよいことが!
雑穀米、雑穀パン、芋など、食物繊維の多い炭水化物を食べると、単なるエネルギー源としてだけでない効果があります。食物繊維には、 ・満腹感を与える ・便秘を予防、改善する ・大腸の善玉菌の環境を整える などの働きがあり、ダイエットにとっても良いことがいっぱいです。 一方、加工・精製された食物繊維の少ない炭水化物は、血糖値を急激に上昇させてしまうので、野菜やキノコ、海藻を一緒に食べることがおすすめです。
炭水化物が多い食品の食べ方
米やパン、パスタなどの穀類、果物、豆、芋→適量食べましょう 菓子パン、清涼飲料水、お菓子→控えめにしましょう いかがでしたか?炭水化物は「多すぎず少なすぎずに」「食物繊維の多い炭水化物もとりまぜて」とるのが、健康的なダイエットです。賢く炭水化物をとってダイエットを成功させてくださいね!
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著者
藤岡 佳絵(管理栄養士,健康運動指導士,NR・サプリメントアドバイザー,アスリートフードマイスター,製菓衛生師,食生活アドバイザー2級,ホームヘルパー2級)
栄養とは関係ないメーカーに就職し、会社員生活を送る中で、健康とその基礎となる食の大切さに気付き、栄養士に転職したという経歴の持ち主。管理栄養士として、レシピ開発やカウンセリング、食育活動、現在は主に保健指導で、働き盛りの方々の健康づくりに携わっている。