【精製穀物の上手な選び方】毎日食べる主食が健康に影響するかも?

【精製穀物の上手な選び方】毎日食べる主食が健康に影響するかも?

白米やパンなどの精製穀物よりも、玄米や全粒粉などの全粒穀物の方が栄養豊富なことはご存知ですよね。ですが、精製穀類を使用したパンやデザートなどの方が食べやすく、おいしいと感じることが多いと思います。今回は、精製穀物を食べる時の健康を意識した食べ方を紹介します!

2023年05月16日

研究結果から学ぶ

研究結果について

カナダ・サイモンフレイザー大学の研究より、精白パンやシリアル、精製穀物から作られるパンやデザートなどの食べる量が疾病リスクに影響すると報告されました。 1日あたり7サービング以上の精製穀物を摂取することで、心血管疾患や脳卒中、死亡リスクが高くなるということです。全粒穀物や白米を摂取しても、健康への大きな悪影響がなかったこともわかりました。

サービングとは

サービングとは、食事の単位です。穀類の1サービングの例を下記に示します。 ・炊いたごはん 100g ・食パン4~6枚切り 1枚 ・ロールパン 2個 ・茹でたうどん 150g ・中華茹でめん 115g

全粒穀類と精白穀類の栄養素の違い

研究者より

玄米や大麦などの全粒穀物食品を食べ、精製穀物食品を少なくすることが、種々の疾病リスクの低下と関連することがわかりました。健康のためにはより品質のよい炭水化物を選ぶことが欠かせないとのことです。

穀類の栄養素を比較

小麦全粒粉や玄米の方が、食物繊維やビタミンB群が豊富なことがわかります。押し麦は小麦全粒や玄米に比べビタミンB群の含有量は少ないですが、食物繊維は豊富です。そば粉は精白小麦粉(薄力粉)に比べ食物繊維だけでなく、ビタミンB群が豊富です。

加工されると変わること

小麦粉を使用して作られる菓子類の栄養素を比較して見てみましょう。菓子類は材料によって、栄養素の含有量が異なりますね。脂質やナトリウムは摂りすぎには注意が必要な栄養素です。適量ならあまり問題ありませんが、食べすぎには注意が必要です。

精白穀類を選ぶ時のポイント

米と小麦粉製品の違いを知っておこう

米と小麦粉製品の調理の違いは、加工される過程で脂質や塩分などが添加されることです。白米は炊いて食べることが多いことに比べ、精白小麦は食パンや菓子パン、ホットケーキ、サブレなどに加工されます。食べる量や食品により異なりますが、得られる栄養素が大きく異なることがあります。

精白穀類を選ぶなら

精白穀類を選ぶ時には、より加工されていないものを選びましょう。フランスパンと菓子パンの場合では、菓子パンの方が砂糖や油脂が多く使用されるので、フランスパンを選ぶことをおすすめします。

できれば全粒穀物の製品を選びたい

米を選ぶなら

白米よりも玄米の方が、食物繊維やビタミンB群などが多く含まれます。玄米に抵抗がある場合、発芽玄米ごはんや麦ごはん、雑穀ごはん、半つき米を選ぶこともよいでしょう。

パンを選ぶなら

ライ麦、全粒粉などの全粒穀物がより多く使用されているものがよいでしょう。「ライ麦パン」「全粒粉パン」というような表示があったとしても、粉類のすべてがライ麦や全粒粉を使用しているとは限りません。 使用量が少量のものもあるため、原材料名を確認しましょう。原材料名には多く使用されるものから記載されるので、全粒粉などが何番目に書いてあるかで、おおよその使用割合を知ることができますよ。

麺類を選ぶなら

パスタ、うどんなどの麺類を選ぶ際には、全粒粉入りの麺類、うどんよりもそばがおすすめです。そばの場合はそば粉の割合が多いものがよいでしょう。 【ダイエット中でも◎】麺類を使った栄養満点な1週間献立をご提案!

菓子類を選ぶなら

菓子類を選ぶ際には、雑穀や大麦などを使用したものを選ぶこともよいでしょう。ただし、菓子類は炭水化物などの摂りすぎにつながるので、1日に200kcalを目安に選んだり、食べる回数に気を付けましょう。 【管理栄養士が直伝】ダイエット中の「おやつ」の食べ方

穀類を賢く選ぼう

選び方を大切に

精白穀類に比べて全粒穀物の方が栄養豊富です。今よりも食べる量や内容を考え、健康的な習慣を身に付けることができるとよいでしょう。ライフスタイルに合った食べ方を見つけてみて下さいね。 ・LINK de DIET/精製穀物は心臓発作と死亡リスクの上昇と関連? (https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=74417&-lay=lay&-Find.html) 閲覧日:2021年3月23日 ・LINK de DIET/「全粒粉」表示、誤解する人は半数近く (https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=72477&-lay=lay&-Find.html)閲覧日:2021月3月23日 ・厚生労働省/e-ヘルスネット情報提供/間食のエネルギー(カロリー) (https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html)閲覧日:2021年3月23日 ・日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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著者

森本 芙好(管理栄養士)

管理栄養士。体調不調をきっかけに栄養学を学ぶ。 ダイエットの失敗を乗り越えた経緯から『なりたい自分』を目指す方の役に立ちたいと思い、現在は特定保健指導、コラム執筆に携わる。 自身の食事テーマは、美容に良く、おいしい食事を楽しく食べること。 ひとりひとりの価値観を大切に、自らを大切にするための身体にやさしい食事を提案することを目指しています。


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