【子どものプロテイン】使う時のポイントと注意点

【子どものプロテイン】使う時のポイントと注意点

「子どもの成長が心配」「食事量は足りているのかな?」「プロテインを飲ませた方がいいのかな?」など、お子様のからだの成長を気にされている方も多いのではないでしょうか。今回は、管理栄養士が子どものプロテインの必要性と取り入れる場合のポイントをお伝えします。

2022年02月04日

プロテインとは?

子ども向けのプロテイン

プロテインとは、筋肉や臓器、皮膚など強いからだを作るための材料であるたんぱく質のことです。たんぱく質はからだの成長に欠かせないもので、体内では他の栄養素から作り出すことができないため、食事から摂る必要があります。 最近は子ども向けのプロテインも見かけるようになり、たんぱく質の他にカルシウムや鉄などが含まれているものが売られています。 たんぱく質の種類としては、吸収スピードが速く、運動後の補給に適している「ホエイ」、吸収スピードが緩やかであり長い時間血中に維持される特徴がある「カゼイン」、その他大豆などで構成されているものがあります。

子どもの成長と活動量

身体的な特徴

小学校高学年頃から高校生頃の成長期には、エネルギーをはじめ、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどほとんどの栄養素が、大人と同じまたはそれ以上の量が必要になります。子どもの成長に大切な時期であり「食事は足りているのかしら?」と悩まれる保護者の方も多いのではないでしょうか。

子どもの活動量

自分自身のからだを成長させるための栄養補給と、定期的に運動を行っている場合には、活動量が増加することによりエネルギーや各栄養素の必要量がさらに多くなります。 例えば、たんぱく質が不足してしまうことで筋力の低下、骨折、成長ホルモン分泌を妨げるなど、成長期の子どもにとって悪影響を及ぼす可能性があります。年齢や成長の状況に合わせて不足することなく食事を摂ることが大切です。

プロテインが必要な時とは?

食事から摂るのが基本

基本的には、食事として食べ物を摂ることが大切です。プロテインはあくまで“補助”として使うことを忘れないでください。食事を噛んで食べることで唾液の分泌を促したり、内臓を使うことで消化吸収機能の成長にもなるからです。 それでは、成長期の子どもたちにとって、どのような時にプロテインが必要か解説していきます。

スポーツ活動をしている

活動量が多いスポーツを行っており、食事をたくさん食べることができない場合などに、補助的に補食として取り入れる方法です。 また、スポーツ活動の後は、筋中のグリコーゲン(糖質)が使われて減少している状態です。速やかに糖質とたんぱく質を補給することで回復を早めることができると言われています。ホエイプロテインは吸収が早い特徴があるため、練習後の補給に向いていると言われています。

特別な状況の場合

体調が優れず食事を摂ることができない時、旅行先やスポーツ選手であれば大会や合宿時の遠征などで苦手な味で食べられない、買う場所がない、衛生面が心配で食べられないなど、食事からの栄養摂取が不十分な時などに使用を検討してみても良いでしょう。

プロテインを活用する場合の注意点

たんぱく質には上限量がある

たんぱく質(プロテイン)は食べたら食べた分だけ筋肉になる、ということはありません。からだに貯えられる量は決まっています。プロテインを使用する場合には、記載されている量をよく確認し、過剰摂取にならないように注意しましょう。

食べられる可能性をなくしてしまうことも

子どもの頃は食事に対する興味・関心を寄せる時期でもあります。苦手な食材でも克服するチャンスがたくさん巡ってきます。食事から食べられる量が多くなってきたら、プロテインの量や使用を再検討してみましょう。 また、スポーツ選手で遠征先などで食事量が落ちてしまいプロテインを活用する場合、食べ慣れないものでも少しずつチャレンジして食べ、徐々に現地の食事や環境に慣れることで栄養バランスを整えられるように、食事のトレーニングを行っていきましょう。

まとめ

必要なのかを見極めて

プロテインを使う際のポイントと注意点についてお伝えしました。お子様の成長のために、本当にプロテインが必要な状況なのか、どのように活用するべきか考え、必要に応じてうまく取り入れていけると良いですね。 【参考文献・資料】 ・厚生労働省/e-ヘルスネット/たんぱく質(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html)閲覧日:2021年10月2日 ・厚生労働省/日本人の食事摂取基準2020年版/エネルギー、たんぱく質、他

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著者

丸山 まいみ(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

家庭の料理を通じて食に魅力を感じ管理栄養士となる。 診療所での栄養指導、特定保健指導、スポーツ選手に対する栄養教育に携わる。 現在は、ひとりひとりの背景に合わせ、食の楽しさや可能性を伝えるためフリーランスとして活動中。


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