【季節到来】太らずに楽しむ!ビアガーデンとの上手な付き合い方
夏の風物詩の一つ、ビアガーデン。暑い夏に屋外で飲むキンキンに冷えたビールは格別です。イベントが多い夏はビアガーデンなどでお酒を飲む機会が多いため太ってしまうのが心配という方も多いのではないでしょうか?そこで、夏のビアガーデンを思いっきり楽しむための上手なお酒の飲み方を、お酒が好きな管理栄養士が解説します!
2019年07月09日
夏のビアガーデンで気をつけることとは?
脱水に注意
屋外のビアガーデンは屋内と異なり空調がないため、汗をかきやすい環境です。暑くて汗をかくということは、体から水分が失われているということです。 また、アルコールには利尿作用があり、尿として体から水分が失われてしまいます。特にビールは利尿作用が強い傾向にあります。 暑くて汗をかき喉が乾くためお酒がつい進んでしまいますが、お酒は水分補給にはならず、むしろ体内の水分を減らしてしまうため、夏の屋外での飲酒は脱水を引き起こす危険性が高まり注意が必要です。
失われた水分を補給しないと二日酔いに
口から入ったアルコールは胃で約20%、小腸から約80%吸収され血液に入り、肝臓に送られアルコール脱水素酵素によってアルコールをアセトアルデヒドという物質に分解します。このアセトアルデヒドが体内に残ってしまうことで動悸や頭痛、吐き気などの不快な症状を引き起こします。つまり、二日酔いはアセトアルデヒドという物質が原因です。 体にとって有害なアセトアルデヒドを尿として体の外に排出するためにも、飲酒時には水分補給が欠かせません。
飲んだアルコールの量と同じ量の水分補給を
脱水と二日酔いを防ぐためには、最低でも飲んだお酒と同じ量の水分を補給しましょう。注意することは、水分補給はお茶やコーヒー・紅茶ではなく水を飲むことです。お茶やコーヒー・紅茶には利尿作用のあるカフェインが含まれているので水分補給には向いていません。 アルコールを飲んでいる最中は脱水を感じにくいため、次のお酒に行く前に水を飲む、飲み会の締めに水を飲むなど意識的に水分補給を行いましょう。
「焼酎やウィスキーは太らない」って本当?
蒸留酒は「糖質0」
お酒はビールや日本酒・ワインなどの醸造酒と、焼酎やウィスキー・ウォッカなどの蒸留酒に大別されます。 お酒100g当たりの糖質量を見てみましょう。 ・ビール 糖質3.1g ・赤ワイン 糖質1.5g ・日本酒 糖質3.6g ・焼酎 糖質0g ・ウィスキー 糖質0g ご覧の通り、醸造酒は糖質を含んでいるのに対して、蒸留酒は糖質を含んでいません。そのため、糖質を含まない蒸留酒は飲んでも太らないと言われています。
蒸留酒は糖質0だけど、カロリーは0ではない!
アルコールは1g当たり約7kcalです。糖質・たんぱく質は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcalですので、アルコールは脂質の次にカロリーが高いです。 では、お酒のアルコール度数と1杯当たりのカロリー・糖質量を見てみましょう。 ・ビール(中ジョッキ1杯500ml) 4~5% 、200kcal、糖質15.5g ・赤ワイン(グラス1杯100ml) 10~11% 、73kcal 、糖質1.5g ・日本酒(1合180ml) 15~16% 、185kcal 、糖質6.5g ・焼酎(グラス1/2杯100ml) 25%、146kcal、糖質0g ・ウィスキー(ダブル1杯60ml) 40%、142kcal、糖質0g ご覧の通り、アルコール度数の高い蒸留酒はカロリーが高い傾向にあります。
アルコールのカロリーは代謝されやすい
アルコールは他の栄養素のカロリーとは違い、熱として分解されやすく体内に蓄積されにくいと言われています。アルコールを摂取した後に体が熱くなるのは、体内でエネルギーとして燃焼されるためです。 成分値だけで見ると蒸留酒はカロリーが高いのですが、実際は多くが消費されてしまいます。しかし、エネルギーとして燃焼されやすいからといって飲みすぎるのは良くありません。 また、ビールは一見カロリーが低いように思われがちですが、アルコール度数が低いので飲む量が多く、摂取するカロリーも多くなってしまう傾向があります。
お酒を飲むと太るのはなぜ?
実はお酒よりもつまみが太りやすい!
アルコールはエネルギーとして燃焼されやすいとお伝えしましたが、アルコールが優先的に燃焼されるということは、お酒と一緒に食べているつまみのカロリーは燃焼されるのが後回しになってしまいます。 お酒のつまみとしてよく食べられる唐揚げなどの揚げ物やポテトサラダ、餃子などのように脂質と糖質を多く含むものは、カロリーが高くても燃焼されるのが後回しになり、結果過剰にとったカロリーは体に脂肪として蓄えられてしまいます。
アルコールとつまみがダブルで食欲を増進させる
お酒を飲むといつもよりたくさん食べてしまうという人が多くいますが、これはアルコールによる食欲増進作用によるものです。 また、アルコールの利尿作用により脱水状態になると体は塩分を欲します。そして、味の濃いつまみを食べることで、さらに食欲が増進するといった悪循環に陥ってしまうのです。
締めにラーメンを食べたくなるのはなぜ?
アルコールを肝臓で分解する際には糖分も必要です。お酒を飲むとラーメンを食べたくなるのは、脱水による体の塩分の欲求と、肝臓でのアルコール分解で消費された糖分を補うための欲求によるものです。 体が欲しているラーメンですが1杯500kcal以上あるため、締めに食べてしまうと当たり前ですがカロリーオーバーで太ってしまいます。 また、女性の場合は体が糖分を欲しているため甘いスイーツが食べたくなってしまう人も多いですが、高カロリーなスイーツもお酒を飲んだ後に食べてしまうと太ってしまいます。
賢い飲み方で夏でも太らずお酒を楽しむ
ポイントは”つまみ”と”お酒の種類”
太りたくないけれども、夏は暑気払いにビアガーデンなどでお酒を楽しみたいという方は、つまみの選択方法や飲むお酒の種類を見直してみましょう。
はじめのつまみは塩分の少ないものを
飲み会の最初に味の濃いつまみを食べてしまうと、それがきっかけで食欲が増進してしまいます。まずは枝豆や冷奴、刺身、冷やしトマトなど味が薄めでさっぱりとしたものを食べましょう。最初に頼みたくなる漬物は、カロリーは低いのですが塩分が高いためお酒のつまみとして最初に食べてしまうと食欲増進を助長させる可能性があります。 また、どうしてもお酒と一緒に揚げ物が食べたい場合は最初に食べることをおすすめします。揚げ物は胃の中に留まる時間が長いので、アルコールとおつまみで食欲増進作用が出る前の最初に1品ほど揚げ物を食べることで、食べ過ぎ防止に繋がります。ただし、たくさん食べないように気をつけましょう。
乾杯のビールの次はハイボールがおすすめ!
ビールは中ジョッキ1杯で約200kcalとおにぎり1個分のカロリーと同じ位です。ビールを3杯飲んでしまうと600kcalとラーメン1杯のカロリーと同じぐらいになってしまいます。 それに対してウィスキーを炭酸水で割ったハイボールはジョッキ1杯で約100kcalとビールに比べてカロリーが半分です。カロリーの高いビールは最初の1杯で、2杯目からはカロリーの低いお酒に切り替えましょう。
だらだらとお酒を飲むのはやめる
飲み会の終盤になるとだらだらとお酒を飲み続けてしまいますが、何気無く飲んでいるお酒もカロリーがあるということを忘れてはいけません。 だらだらと飲み続けるのではなく、終盤になり話に盛り上がっているときは、お酒ではなく水を飲むようにすることで余計なカロリー摂取を抑えられ、また脱水や二日酔いの予防にもなるのでおすすめです。
まとめ
夏はビールが美味しい季節
暑い夏に外で汗をかきながら飲むビールは格別です。しかし、夏にお酒を飲む際は脱水と食欲増進に気をつけましょう。適切な水分補給とつまみの食べ方を意識して、我慢せずに暑い夏はお酒を楽しく飲んで過ごしましょう。
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著者
河村 桃子(管理栄養士)
管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。