【素朴な疑問を解決!】料理の「アク」を取らないとどうなるの?

【素朴な疑問を解決!】料理の「アク」を取らないとどうなるの?

鍋や煮込み料理をすると浮いてくる「アク」。煮込めば煮込むほど浮き出る「アク」にうんざりして、そのまま調理した経験はないでしょうか。今回、この「アク」の正体や取り除くことでのメリットを紹介したいと思います。

「アク」とは

正体1:野菜の苦みや渋み

一番わかりやすいのは、野菜を切った後に、断面が変色した場合、その野菜は「アク」が多いことがわかります。

正体2:魚やお肉の臭み成分

加熱すると煮汁に溶けだし、臭みとなります。

アクを取るメリット4つ

メリット1:見栄えがよくなる

煮込み料理や鍋などにでてくるアクをとることで、綺麗な透き通ったスープができます。

メリット2:余分なカロリーや脂肪を減らすことができる

肉の「アク」には脂肪分も含まれているため、アクをとることで余分なカロリーや脂肪を減らすことができます。

牛すね肉を使ったスープの「アク」に関する研究によると、アクの80%以上が中性脂肪によるものだったと報告されています。

メリット3:料理の味がおいしくなる

臭みやえぐみなどの雑味をなくして、料理の味をおいしくしてくれます。例えば、ほうれん草に多く含まれている「シュウ酸」はえぐみに影響すると言われています。

ポイント4:健康への悪影響を減らす

「アク」の成分の中には、健康を害する可能性のものもあります。

例えば、ほうれん草に含まれている「シュウ酸」は摂取量が多くなると、尿の中でカルシウムと結合すると石のかたまりのようになり腎臓に影響を及ぼします。ところが、ほうれん草を熱湯でゆでることで、約70%のシュウ酸を減らすことができると言われています。

また、山菜のフキノトウに含まれるピロリジジンアルカロイド類という「アク」の成分の過剰摂取は、肝臓に悪影響を及ぼすという研究報告もあります。しかし、フキを茹でこぼし、2時間水にさらすることで、約60%のアクが取れたという研究結果があります。

アクを取るコツとは?

ポイント1:肉類や魚類を下茹でする

鍋物などに入れる肉類や魚類をあらかじめ熱湯で下茹ですることで、鍋のなかでアクが出にくくなります。

ポイント2:アクが出始めると一瞬強火する

「アク」が出始めて一瞬だけ強火にすることで、アクが中心によるので、一気に「アク」をたくさん取ることができます。

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ポイント3:ジャガイモやゴボウなどの根菜類やナスなどは水に浸す

切った後、すぐに断面図の色が変わってしまうので、水に5~10分ほど水に浸しましょう。しかし、長く浸しすぎるとせっかくの栄養成分や風味が抜けてしまうので、注意してください。

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ポイント4:サヤインゲンや、ほうれん草などの葉物野菜は下茹でする

塩を含めた熱湯で「アク」をだしたのち、すぐに冷水にとって色の変化をとめます。

まとめ

全部取る必要はない

今回、「アク」の正体と、「アク」を取るメリットを紹介しました。細かい「アク」まですべて取る必要はないものの、「アク」を取るメリットはたくさんあります。今まで「アク」を取るのが面倒だった方は、今回紹介した方法を参考にして、始めてみてはいかがでしょうか。

【参考文献】アクセス日:7月1日
「青菜のゆで調理」(和泉眞喜子)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/39/3/39_240/_pdf

「尿路結石症診療ガイドライン 2013年版」(公益財団法人 日本医療機能評価機構)
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0022/G0000634/0061

「スープストック(牛すね肉)の' あく´に関する研究」(丸山悦子)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1968/10/2/10_75/_pdf

「国産フキ中のピロリジジンアルカロイド類の含有実態調査結果」(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/attach/pdf/180831-1.pdf

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