【どうすればいいの?】外出自粛中に注意したい食生活のポイント
新型コロナウイルス感染症の拡大により、以前のような生活を送ることが難しくなっています。世界保健機関(World Health Organization)は、ヨーロッパ各国向けに、外出制限下でも健康的な食事をサポートするためのポイントを紹介しています。また、日本の厚生労働省でも、新型コロナウイルスとの共存のための「新しい生活様式」の実践例も公表されています。今回、これらのガイドラインをいくつか紹介しつつ、私たち日本人が自粛中でも無理なく健康的な食事を続けるコツを解説します。
2020年09月12日
ヨーロッパのガイドラインにてー食生活での注意点3つー
ポイント1:食べる量に注意する
「自粛生活で、孤食や活動が制限されるなどにより、過食を起こしやすくなりやすいです。そのため、食事バランスガイドを参照に食べる量を確認しましょう」と推奨されています。つまり、孤独感やいつも通りにいかない生活などにより、暇な時間の増加やストレスなどが原因で、過食を招くことなどが示唆されています。 日本の国立健康・栄養研究所が制作した新型コロナウイルス感染症対策としての健康・栄養リーフレットでも、「食事は量より質に気をつけましょう」とも推奨されています。 ご飯などの主食、肉類、魚類、大豆製品を多く含むおかずなどの主菜、野菜類、海藻類、きのこ類などを含む小鉢などの副菜が揃った定食スタイルの食事をすることで、自然と栄養バランスも整ってきます。
ポイント2:飲酒をなるべく避ける、あるいは、いつもよりも控える
「特に大量に飲酒した場合、免疫力が低下して、身体がコロナウイルス感染症を含む感染症に対処できなくなります。また、飲酒は不安やうつ症状などの心身のストレスを増加してしまうこともあるため、特に自粛中は注意が必要です」と説明されています。 自粛生活による孤独感やストレスにより、ついついお酒を飲みすぎてしまうこともあると思います。そこでもう一度、確認したいことは、節度ある適度な飲酒の量です。 厚生労働省は「節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度の飲酒」と示しています。これは、「ビール中ビン1本」、「日本酒1合」、「チュウハイ(7%)350ml缶1本」、「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。ただし、女性や高齢者、あるいは少量の飲酒後に顔面紅潮や吐き気などが生じるフラッシング反応を起こす人は、これより飲酒量を少なくすることが推奨されています。
ポイント3:なるべく水で水分補給を
「ジュースなどの甘味飲料は余分な砂糖やカロリーの摂取になります。また、コーヒー、濃い紅茶、カフェイン飲料、栄養ドリンクなどの過剰摂取は脱水症状を促し、睡眠にも影響します。そのため、水で水分補給をすることが一番健康にもよいです。」と説明しています。 自粛生活は規則正しい生活が乱れやすくなります。夕方や就寝前のカフェインの摂取は入眠に影響を及ぼしたり、睡眠の質を悪くする可能性があるので、なるべく避けましょう。
日本のガイドラインにてー食事をする上での具体的なポイント3つー
ポイント1:対面ではなく、横並びに座ろう
新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染により感染するといわれています。つまり、ふとした瞬間のくしゃみ、咳、唾などが飛ばないようにするためにも、真正面よりも横に座る方が推奨されています。 また、横並びに座るときも、スペースがある場合は、2m(大人の両者が手を伸ばしても届かない距離)、ない場合は最低でも1m離れて座るようにしましょう。
ポイント2:大皿は避けて、料理は個々に
みんなでワイワイとお箸を突っついて食べるスタイルは、飛沫や接触が起こりやすく、感染拡大のリスクを高める恐れがあります。最初から分けて食べるようにしましょう。
ポイント3:料理に集中、おしゃべりは控えめに
食事中の会話は、心の栄養にもなり、精神的にも和やかにしてくれます。しかし、食事中はマスクを外しており、頻繁に会話をすることで、唾などの飛沫が起こりやすくなるため、暫くは食事中の会話は控えましょう。 【食物繊維も豊富】エビの栄養素とスーパーでの選び方とは?
新型コロナウイルス感染症に対する予防効果のある食品はあるのか?
現時点ではない!
世界中に新型コロナウイルス感染症が拡大している今、何とか予防したいと思う方は多いと思います。そのため、インターネットなどで新型コロナウイルスの予防を謳った健康食品や製品などを見ると、惹かれてしまうこともあるかもしれません。 しかし消費庁では、現時点で「新型コロナウイルス予防に根拠のあるサプリメントや特定の食品はありません。」としています。 【管理栄養士が本気で選ぶ!】ダイエット中でも安心の大満足レシピ4選
まとめ
新しい生活スタイルで健康的な食生活に
自粛中は、なかなか自分の思うような生活ができずに、食生活も乱れやすくなるかもしれません。新型コロナウイルス感染症の予防のためにも、今回紹介した食生活のポイントを参照して新しい生活スタイルを定着してみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 「欧州の外出制限下における健康な食事(WHO)」(国立健康・栄養研究所) https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=70689&-lay=lay&-Find.html (アクセス日:2020年7月28日) 「新型コロナウイルス感染症対策としての栄養・身体活動(運動)について」(国立健康・栄養研究所) https://www.nibiohn.go.jp/eiken/corona/pdf/corona_japanese.pdf (アクセス日:2020年7月28日) 「Food and nutrition tips during self-quarantine」(World Health Organization) https://www.euro.who.int/en/health-topics/health-emergencies/coronavirus-covid-19/technical-guidance/food-and-nutrition-tips-during-self-quarantine (アクセス日:2020年7月28日) 「飲酒のガイドライン」(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html (アクセス日:2020年7月29日) 「健康づくりのための睡眠指針 2014」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf (アクセス日:2020年7月29日) 「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者への注意喚起について」(消費庁) https://www.caa.go.jp/notice/assets/200310_1100_representation_cms214_01.pdf (アクセス日:2020年7月29日) 「新型コロナウイルスを防ぐには」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000596861.pdf (アクセス日:2020年7月29日) 「「新しい生活様式」の実践例」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641743.pdf (アクセス日:2020年7月29日) 「新型コロナウイルス予防効果を標ぼうする食品について(注意喚起) 」(消費庁) https://www.caa.go.jp/notice/entry/019773/ (アクセス日:2020年7月29日)
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著者
ウィリアムズ 早苗(管理栄養士)
大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をしています。私たちが抱えている、食や健康に関しての問題点に注目し、それに向けての解決策の糸口となるようなお手伝いが出来る事をモットーにしています。