【管理栄養士のおすすめ食材】牛乳を飲んで「脱メタボ」生活を始めよう!

【管理栄養士のおすすめ食材】牛乳を飲んで「脱メタボ」生活を始めよう!

世界的な医学誌「ブリティッシュメディカルジャーナル(BMJ)」で、大規模調査によって牛乳や乳製品を摂る習慣がある人は、これらを摂る習慣がない人に比べてメタボリックシンドロームのリスクが低いということが報告されました。牛乳や乳製品は脂質を含むため、肥満が主な原因となるメタボリックシンドロームには消極的なイメージを持たれがちです。今回は牛乳・乳製品とメタボリックシンドロームの関係を管理栄養士の視点で解説していきます。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドローム(以後、メタボ)という言葉が定着して10年以上が経ちます。メタボとは、内臓脂肪がたまり、高血圧、高血糖、脂質異常が2つ以上重なった状態をいいます。

<メタボリックシンドロームの診断基準>
・ウエスト周囲径(男性≧85㎝、女性≧90㎝)
 +
・空腹時血糖 ≧ 110㎎/dl
・血圧(収縮期血圧≧130㎜Hg かつ/または 拡張期血圧≧85㎜Hg)
・中性脂肪≧150㎎/dl かつ/または HDLコレステロール<40㎎/dl 

内臓脂肪は女性に比べて男性の方がつきやすいとされています。女性は、女性ホルモンが影響し、内臓脂肪より皮下脂肪のほうがつきやすいためです。閉経後は女性ホルモンの分泌が減り、女性も内臓脂肪がつきやすくなり、血圧や血糖値が高くなりやすく、脂質異常を起こしやすくなります。

牛乳・乳製品を摂る人はメタボリックシンドロームが少ない?

約9年間、世界21カ国の15万人を追跡調査したところ、メタボリックシンドロームのリスクを下げ、さらにその効果は低脂肪乳より全脂肪乳(普通牛乳)を摂っている方が高い効果を示しました。牛乳・乳製品を1日2回以上摂っているとメタボのリスクは24%低くなりました。

さらに、全脂肪乳では28%低くなりましたが、低脂肪乳では3%高くなりました。牛乳に含まれる乳脂肪は、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の独自の構成を持っています。そして、乳たんぱく質やカルシウムなどのミネラルも豊富に含まれており、これらの相互作用によって健康効果が期待できる可能性があることが示されました。

牛乳は栄養豊富なエネルギー源

エネルギー吸収の高い脂肪

牛乳の半分近くは脂肪です。ただ、脂肪といっても様々な種類があり、牛乳に含まれる短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は、身体の中で燃焼されやすく、体脂肪になりにくい脂肪です。そのため、全脂肪乳(普通牛乳)を摂った方がメタボのリスクを下げたことにつながった可能性が考えられます。

良質なアミノ酸が豊富

私たちの身体の中では、絶えずたんぱく質が合成と分解を繰り返しています。たんぱく質が分解されるとアミノ酸になります。アミノ酸には、身体の中で合成できない必須アミノ酸といわれるものがあり、必須アミノ酸は食事から摂る必要があります。牛乳には、必須アミノ酸が豊富に含まれており、良質なたんぱく源になります。

カルシウムの供給源

牛乳・乳製品がカルシウムの補給源であることをご存知の方も多いですよね。カルシウムの吸収を促すにはビタミンDも必要不可欠です。牛乳には豊富なカルシウムに加えて、ビタミンDを補うことができるのも魅力の1つです。

ビタミンの補給にも最適

現代人は、嗜好品の摂取が増えたことでビタミン不足の方が多くいます。ビタミンが不足すると、炭水化物やたんぱく質、脂質が効率よく代謝されずに脂肪になってしまうことがあります。牛乳にはビタミンB群が豊富に含まれているため、炭水化物やたんぱく質、脂質の代謝を助ける働きが期待できます。

おすすめの取り入れ方

朝の1品に

朝食に牛乳やヨーグルト、チーズを足すことで、バランスがアップします。もし、朝食を食べる習慣がない場合は、出かけるまえに牛乳を1杯飲むことがおすすめです。朝はエネルギーが不足しているため、エネルギー補給にもなり、基礎代謝を上げることが期待できます。

小腹が空いた時のエネルギー補給に

栄養バランスの高い牛乳やヨーグルト、チーズは、小腹が空いた時の間食にもおススメです。食事の時間がずれてしまいそうな時は、無糖のココアやカフェラテを飲んでしのぐのも1つの方法です。

料理のちょい足しに

サラダにパルメザンチーズを足したり、牛乳仕立てのスープやシチューもおすすめです。
サラダやスープにすることで、牛乳にあまり含まれていないビタミンCやビタミンEを補うことができて、食事のバランスアップにもつながります。

飲み過ぎ・食べ過ぎにご注意を!

牛乳のカロリーは100mlあたり67kcal、ヨーグルト(無糖)は100g当たり62kcalですが、量が増えるとその分カロリーは増えていきます。牛乳を1日1L飲むと670kcalになり、1食分に相当するカロリーになってしまいます。牛乳であれば、1日1~2杯を目安に飲むことで、十分効果が期待できます

まとめ

メタボのリスクを下げるには、牛乳・乳製品に含まれる栄養素の相乗効果が大きく影響していることが考えられます。バランスよく栄養素がとれる牛乳・乳製品を摂って、脱メタボ習慣を始めてみませんか?

【参考文献】
・一般社団法人Jミルク/研究・レポート/国際的な研究グループが大規模調査で牛乳乳製品摂取によるメタボリスク低下を報告(https://www.j-milk.jp/report/study/acad.research/h4ogb40000004jsp.html)閲覧日:2020年10月20日
・一般社団法人Jミルク/研究・レポート/乳製品摂取が高血圧・糖尿病のリスクを低下(https://www.j-milk.jp/report/study/acad.research/h4ogb40000004ubu.html)閲覧日:2020年10月20日
・文部科学省/食品成分データベース/乳類・(液状乳類)・普通牛乳 閲覧日:2020年10月20日
・文部科学省/食品成分データベース/乳類・(発酵乳・乳酸菌飲料)・ヨーグルト・全脂無糖 閲覧日:2020年10月20日

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