【運動と栄養の関係を解説!】パフォーマンスを高める食べ方って?
仕事、勉強、スポーツなど、さまざまな状況でパフォーマンスを上げたいと考えた時に、何を行うかが迷うところです。適度な運動がパフォーマンスを上げることは知られていますが、そこに栄養を意識したバランスのよい食事が加わると、よりパフォーマンスを高めることが期待できます。今回は、運動と組み合わせることによってパフォーマンスを上げる食べ方について、管理栄養士の視点で紹介します。
2021年02月15日
適度な運動はパフォーマンスを上げる
適度な運動を行うことで、余分な脂肪の蓄積を改善し、将来的な病気の予防に繋がります。さらに、気分転換やストレス解消となり、メンタルを整えるうえでは欠かせません。 目安として30分以上の運動を週2回行うこと、今より毎日10分ずつ長く歩くことから意識していきましょう。
プラス食事でパフォーマンスがさらに上がる
米国イリノイ大学アーバナシャンペーン校とアボット、米国空軍研究所の臨床試験では、適度な運動に加えて、バランスのよい食事が加わることで、情報を処理する能力や問題を解決する能力を高めることが報告されています。 さらに、筋肉量や瞬発力が増し、心肺機能を安定させることにつながっており、運動単独で取り組むよりパフォーマンスを高める結果となりました。
パフォーマンスを高める食事とは?
おすすめの食事は「地中海食」です。パフォーマンスを高める際に摂りたい栄養素は、ルテイン、オメガ3脂肪酸、リン脂質、ビタミンD、β‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸です。地中海食では、これらの栄養素をまんべんなく摂ることができます。
地中海食とは?
地中海食とは、イタリアをはじめとした地中海沿岸の国の人々が食べている伝統的な料理になります。 特徴としては、果物や野菜が豊富で、魚をメインに、オリーブオイルやナッツ、豆類、全粒粉などの未精製の穀物に、食事と一緒に赤ワインを飲む食事パターンです。これらの食材には、パフォーマンスを高めるために必要な栄養素を多く含んでいます。
メイン(主菜)は魚、卵、大豆製品を!
青魚には、身体の中で作ることができない「オメガ3脂肪酸」を含んでいます。オメガ3脂肪酸は、血液の流れを良くする働きが期待できます。さらに「ビタミンD」も豊富に含んでおり、たんぱく質の代謝を助けたり、丈夫な骨を作るうえで欠かせない栄養素を摂ることができます。 また、豆腐や納豆などの大豆製品や卵を使った料理も、主菜としてバランスよく取り入れることが大切です。これらの食材にはレシチンという栄養素を含み、このレシチンが「リン脂質」の一種になります。「リン脂質」は、細胞膜を構成したり、脂肪をエネルギーとして使う時の運搬役として働いています。 たんぱく質を多く含む魚、大豆製品、卵、肉を毎食1品摂ることによって、「β‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸」を摂ることができます。これは、アミノ酸の一種であるロイシンの代謝産物です。「β‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸」は、たんぱく質の合成を促し、体たんぱく質の分解を抑え、過剰な炎症反応をコントロールする働きがあり、体調を整える働きが期待できます。 主菜のバリエーションが増えることで、パフォーマンスを高めるために必要な栄養素を補うことができるのです。 【家で捌かなくてOK】気軽に楽しむ!「魚」が主役の1週間献立
野菜はたっぷり毎食両手いっぱいを!
1日で摂りたい野菜の量は350g以上で、料理にすると5~6品分です。これを3食に分けて食べるようにしましょう。特に、身体の酸化を防ぐ作用のある「ルテイン」は、ほうれん草、ケール、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。毎食1~2品を目安に食べるようにしましょう。 【甘みが強く濃い味が特徴!】冬野菜をたっぷり使った1週間献立
食べ方の基本は「主食・主菜・副菜」
パフォーマンスを上げるためには、雑穀米や全粒粉を使ったパンなど主食を1品、魚、豆腐などの大豆製品、卵を使った料理である主菜を1品、野菜やきのこ、海藻を使った副菜は1~2品揃えられるとよいでしょう。 環境の変化に適応し、パフォーマンスを高めたいと考えるなら、適度な運動とバランスを意識した食事を心がけていきましょう。 【参考文献】 ・リンク・デ・ダイエット世界の最新健康・栄養ニュース/運動/精神と身体の健康に運動プラス栄養が極めて重要?(https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=73070&-lay=lay&-Find.html)閲覧日:2020年12月30日 ・厚生労働省/報道・広報/報道発表資料/2013年3月/健康づくりのための身体活動基準 2013(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf)閲覧日:2020年12月30日 ・feedM.E./栄養改善データベース/注目の栄養素/HMB(β‐ヒドロキシ‐β‐メチル酪酸)(https://nutritionmatters.jp/nutrients/02.html)閲覧日:2020年12月30日
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著者
酒井 葉子(管理栄養士、東京糖尿病療養指導士)
幼少期にアトピー性皮膚炎で悩み、身体の内側から見直す必要性を感じて管理栄養士に。大学卒業後は、給食管理業務や医療機関での栄養指導に携わり、現在は保健指導やコラムの執筆に従事。食を通して、充実した毎日のサポートを行ってまいります。