【世界に誇る和食文化】調査から見えてくる和食文化の実態とは?

【世界に誇る和食文化】調査から見えてくる和食文化の実態とは?

農林水産省は日本国民における和食文化の実態調査をおこないました。今回は、調査の概要や詳細な内容、結果についてまとめましたので見ていきましょう。

2021年03月21日

調査の詳細

令和元年度におこなわれた調査の概要

今回の調査は「和食文化に対する日本国民の意識と実態を把握する」という目的でおこなわれました。調査対象となったのは全国の20~69歳の男女2000名で、全国を9エリアに分け、男女年代別の人口構成比に分けて実施されました。

平成27年度におこなわれた調査の概要

令和元年度の調査の比較対象となるのは平成27年度の調査です。こちらの調査は「和食文化が、家庭の食の中でどのくらい「実践」されているのか(実践度・行動)、そして どのくらい「大事だと思う」と考えられているのか(重要度・意識)を把握し、「今後の和食文化の保護・継承活動・施策立案に資する」という目的でおこなわれました。調査対象となったのは全国の20~69歳の男女10,235名です。

調査内容と結果

「和食」および「和食文化」に対するイメージ

令和元年の調査では、「和食」および「和食文化」に対するイメージは「健康によい(48.9%)」が最も高く、「季節を感じられる(44.9%)」「旬のものがおいしく食べられる(43.%)」「栄養バランスがよい(41.8%)」「素材のおいしさが味わえる(39.7%)」といった項目が上位にきています。平成27年度の調査でも、これらのイメージは上位となっており、日本人は和食に対してよいイメージを持っているということがわかります。 しかし、平成27年度では下位であった「調理が難しい(17.0%)」という項目は令和元年度では21.4%となり変化がみられました。つまり、和食によいイメージは持っているが、調理することに対してあまり積極的でない人が増えているといえるのではないでしょうか。

「和食」および「和食文化」について教わったり、受け継いだこと

こちらは「何を・誰に・どういう風に」という自由回答の調査です。それぞれの項目で多かったのは「料理の作り方を・母親(義母、両親)に・一緒に作った、手伝いながら」という回答となり、いずれも他の回答よりも突出して多いという結果となりました。 つまり、和食の文化は一緒に作ったり手伝いをするといった実際の経験によって、親から子に受け継がれているということがわかります。

和食に対する好意

「和食が好き」と回答した割合は全体で82%となり、和食を好んで食べている人が多いという結果となりました。しかし、年代別に見ると男女とも年代が高くなるほど「和食が好き」と回答した割合が高くなっていました。 最も「和食が好き」と回答した割合が低かったのは20代の男性で65.7%となり、「和食が嫌い」という人が3割以上もいることがわかりました。「和食が好き」という人は年代・性別によってかなり差があるようです。

自宅での料理頻度

令和元年度の調査では、自宅での料理頻度が「ほぼ毎日」と回答したのは全体の41.9%でした。しかし、年代や性別によって異なっており、最も「ほぼ毎日」の割合が高かった40-60代女性ですと69.5%、最も割合が低かった20-30代男性ですと21.7%となり、大きく差があります。 しかし、平成27年度の調査では20-30代男性が「ほぼ毎日」と回答した割合は12.5%であり、また40-60代男性でも令和元年度の調査で料理の頻度が上がっていますので、料理をする男性が増えてきていることがわかりました。 【高たんぱく質で低カロリー】積極的に摂りたい!大豆製品を使った1週間献立

「和食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことの認知

「和食文化がユネスコ無形文化遺産に登録されたこと」を知っている・聞いたことがある、という人の割合は全体では55.5%ととなりました。その割合は料理頻度によって異なっており、料理頻度が高い人ほど認知度が高いという結果となりました。 これは、料理頻度が高い人ほど和食文化についての話題に興味が高く、ユネスコ無形文化遺産に登録されたことを知っていたのではないでしょうか。 【長崎県のご当地食材】春も夏も楽しめる!アスパラガスの歴史

まとめ

和食文化を大切にしましょう!

いかがでしたか?近年では「食の欧米化」「和食離れ」といわれていましたが、調査結果では和食に対しては多くの人がよいイメージを持っており、和食を好んで食べている人が多いことがわかりました。 しかし、平成27年度の調査結果と比較すると、和食に対するマイナスなイメージを持つ人が増えていることや、若い年代ほど「和食が好き」という割合が少ないのも事実です。和食文化はわたしたち日本人にとって大切な文化です。和食文化を残していくためにも、後世に伝えていきたいですね。 参照:令和元年度国産農産物消費拡大事業のうち「和食」と地域食文化継承推進委託事業(地域の食文化の保護・継承事業)のうち国民の食生活における和食文化の実態調査 農林資産省 アクセス日:2021年2月2日 (https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/pdf/01_youyaku.pdf)

【やせ習慣が身につく】管理栄養士が食生活をコーディネートするアプリって?

まずは無料でスタート♪食事を撮るだけ、プロから食事のアドバイスが届く!

  • 専属の管理栄養士がダイエットをサポート
  • 食制限なし!正しく食べて身につく「やせ習慣」♪
  • 管理栄養士が、写真を目で見て丁寧にアドバイス。AIではありません!
  • 「あってるかな?」そんな食事のお悩みを正しい知識でアドバイス

著者

藤井 歩(管理栄養士)

大学卒業後、給食委託会社・健康関連企業での勤務を経て、現在はフリーランスの管理栄養士としてオンラインでの栄養指導業務、特定保健指導、コラム執筆など栄養関係の様々な業務に携わっています。


カテゴリ別ニュース