【カスドースって何?】南蛮の食文化が現代に伝わる長崎県の銘産品

長崎県の西北に位置する平戸。南北に細長く横たわり、大小40の島々から構成されています。平戸は、玄海灘と東シナ海に挟まれ、新鮮な魚が豊富に獲れる地域です。この地では、南蛮貿易が行われていたことから、当時の食文化が根付いています。今回は、平戸の銘菓である「カスドース」について紹介します。

平戸と西洋文化

南蛮貿易は長崎?平戸?

南蛮貿易と聞くと、長崎市の出島をイメージする方も多いですよね。
平戸では、長崎より10年以上早く西洋との貿易が始まりました。九州の西の端に位置する平戸は、異国文化の到着地になりやすかったのです。12世紀はじめまでさかのぼると、茶や禅が日本ではじめて平戸の地にもたらされました。1950年頃になると、ポルトガルやオランダ、イギリスなどとの交易がはじまり、ヨーロッパの国々から様々なものがもたらされます。その中の1つに砂糖がありました。

お菓子の島「平戸」

いち早く、砂糖がもたらされた平戸では、お茶文化と共に菓子文化が根付いていったと言われています。中には、「百菓之図元本」というお菓子のレシピ本を作ったお殿様がいるほど。ただ、当時の砂糖は最高の贅沢品であり、食べられたのは、ごく一部の人だったと考えられています。

どんなお菓子?「カスドース」

カステラではなく「カスドース」

長崎の南蛮菓子というと、カステラを思い浮かべる方も多いのでは?
カスドースの原型は、黄金のスープという意味をもつ「ソッパ・ドウラーダ」です。カステラの原型と言われる「パン・デ・ロー」の薄切りにシロップを絡め、卵黄と砂糖をまぶしてつくられます。「ソッパ・ドウラーダ」は汁気があり、茶菓子には不向きな面がありました。茶菓子向けに固形化したものが「カスドース」です。
カスドースは、カステラのレシピより一足早く伝えられたと言われています。一説では、長い船旅で乾燥したカステラをアレンジしたともいわれています。

まとめ

甘みがクセになる「カスドース」

「カスドース」は、甘みを抑えたカステラをベースに作られています。通常のカステラを用いると甘みが強くなってしまうからです。さらに、卵黄との馴染みをよくするためにカステラの気泡を荒くするなど、さまざまな工夫がされています。
平戸で昔から愛されている「カスドース」は、甘いけれどもクセになる味わいです。今もなお、息づく南蛮の味を味わってみませんか?

【参考文献】
・一般社団法人 平戸観光協会/お土産/探す/カスドース (https://www.hirado-net.com/?post_type=souvenir)閲覧日:2021年7月4日
・松浦史料博物館(http://www.matsura.or.jp/)閲覧日:2021年7月6日
・湖月堂老舗/登録商標カスドース(https://casdoce.com/casdoce/)閲覧日:2021年7月6日

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