【デザイナーフーズ・ピラミッドとは?】食事でできるがん予防を知ろう!

【デザイナーフーズ・ピラミッドとは?】食事でできるがん予防を知ろう!

「がん」は、日本人の死因で最も多い病気です。さまざまな要因によって発症するといわれていますが、リスクになるものや、予防につながるものが世界中で研究されています。今回は1990年のアメリカで発表された「デザイナーフーズ・ピラミッド」について、管理栄養士が解説をしていきます!

日本人の死亡原因で最も多い「がん」

がんの発症が多い部位

厚生労働省の人口動態統計調査(令和2年)によると、日本人の死因は多い順に「悪性新生物(がん)」「心疾患(高血圧を除く)」「老衰」で半分を占めています。がんの死亡率を部位で見ると、男性では「肺」が圧倒的に多く、次いで「胃」、「大腸」。女性では、「大腸」、「肺」、「膵臓」の順に多くなっています。

がんを発症させる要因

がんの発症には、喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満・やせ、野菜・果物不足、塩蔵食品の過剰摂取等の生活習慣、ウイルスや細菌の感染などが複数関係すること明らかになっています。

アメリカ発の「デザイナーフーズ・ピラミッド」とは

デザイナーフーズ計画

「デザイナーフーズ計画」は、アメリカがん国立研究所により、1990年に実施されたがん予防の研究計画です。具体的には、野菜や果物に含まれるポリフェノール類や、カロテノイドなどの植物性食品成分(フィトケミカル)が、がんの予防に有効かどうかを調べる研究です。そこで、がん予防に有効と考えられる40種類の食品が、膨大な研究結果から選ばれ、重要度順にわけられました。

デザイナーフーズ・ピラミッド

「デザイナーフーズ・ピラミッド」(図)は、デザイナーフーズ計画により選ばれた食品を、重要度順に当てはめた図です。現在デザイナーフーズ計画はなくなっていますが、さまざまな疾病予防の観点からも、バランスよく食べることが疾病予防につながることには変わりありません。「これを食べれば大丈夫」という認識ではなく、日々の食事にこれらの中で不足している食材があればプラスをして、さまざまな食品から栄養を補いましょう。

日本人のためのがん予防

日本人の生活習慣でがん予防が期待されること

日本人を対象とした研究により、野菜と果物は「食道がん」のリスクが低くなるのは“ほぼ確実”と発表されました。また、「胃がん」および「肺がん」(果物のみ)はリスクが低くなる“可能性がある”という評価でした。がんだけでなく、生活習慣病全般の予防も考えると、野菜と果物を毎日とることをおすすめします。

野菜は足りている?

令和元年の国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、野菜摂取量の調査した全年齢の平均値は280.5gで、男女とも20~40歳代で少なく、60歳以上で多いという結果で目標の350gには達していない状況です。

野菜は1日どれくらい食べればよいか

「健康日本21」という日本人の健康づくり運動を目的とした厚生労働省の施策で、1日あたり野菜を350gとることが目標とされています。350gのうち、1/3は緑黄色野菜、残りは淡色野菜をとることを意識するとよいでしょう。野菜は主菜や副菜で使用することが多い食材です。毎日の献立や野菜を使った料理に悩んだら、ぜひこちらからレシピを探してみてくださいね。

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まとめ

日本人向けのツールも活用してがん予防に

厚生労働省と農林水産省の共同で策定された食生活指針で「食事バランスガイド」というツールがあります。これは日本人向けに、望ましい食生活を「何を」「どれくらい食べたらよいか」について、わかりやすく図を用いて示されています。がんを含む生活習慣病予防のために、食生活をより良いものにするためにも、今回ご紹介した「デザイナーフーズ・ピラミッド」と合わせてご参考になさってください。

【参考文献】
厚生労働省政策統括官 酒光一章.2020年人口動態統計月報(概数)の現況.厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf) 閲覧日2022年5月3日

社会と研究センター予防研究グループ.日本人のためのがん予防法.国立研究開発法人国立がん研究センター(https://epi.ncc.go.jp/files/11_publications/Can_prev_A2poster.pdf)閲覧日2022年5月3日

健康日本21(第2次).別表第五 栄養・食生活、身体活動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標(1)栄養・食生活.厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000047553.pdf) 閲覧日2022年5月3日

名古屋大学大学院生命農学研究所 大澤俊彦.がん予防と食品―デザイナーフーズからファンクショナルフーズへ―.日本食生活学会誌2009 vol.20(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/20/1/20_1_11/_pdf) 閲覧日2022年5月6日

国民健康・栄養調査 令和元年.2野菜摂取量の状況.厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf) 閲覧日2022年5月6日

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