この季節は、冬の日に照らされて輝きながら散っていく姿は寂しくも美しいイチョウ並木が素晴らしいですね。それなのに、イチョウの実であるぎんなんのニオイといったら…。誰もが知っているぎんなんですが、その栄養や毒性は意外に知られていません。そこで管理栄養士が知っておくべき、ぎんなんの基礎知識を解説します♪
ぎんなんの特徴は?
まるで宝石!ぎんなんの食べ方
ぎんなんはイチョウの木の実です。皆様ご存知のことですよね。もう少し詳しく言うと、イチョウには雄と雌の木があり、イチョウの雌花が結実したものがぎんなんです。食べられるのは白い殻に包まれた仁の部分です。
公園や街路樹に落ちているぎんなんは強烈なニオイがします。しかも、素手で触ってしまうと、かぶれたり、アレルギー性接触皮膚炎となる場合もあります。そのため、ぎんなんを拾う時には必ず手袋をしましょう。
ぎんなんを食べるには?
ぎんなんを拾って食べるためには、ぎんなんをそのまま土に埋め、果皮を腐らせてからよく洗い、殻をハンマーなどで割って、とりだした実を熱湯に浸して薄皮をむきます。
そこまでが下準備です。ぎんなんの調理方法は、揚げたり、炒ったりして十分に熱を通していただきます。真空パックで販売されているぎんなんは一年中手に入りますが、緑色、まさに翡翠のようなぎんなんは、殻から出したての旬の今しか味わうことができない季節限定のものです。
ぎんなんの栄養
アーモンドと比べて低カロリー
ぎんなんはイチョウの木の実なので、食品成分表ではアーモンドやくるみと同じ種実類に分類されます。1食分のぎんなん(ゆで10個15g)とアーモンド(炒り10個15g)の栄養を比べてみましょう。<図参照>
ご覧のように、同じ重量でも、カロリーや脂質はぎんなんの方が大幅に少ないですね。カリウムやマグネシウムなどミネラル類はアーモンドの方が多く、β-カロテンやビタミンCはぎんなんの方が多いということがわかります。
アーモンドの主成分は脂質です。一方、ぎんなんの主成分は炭水化物です。ぎんなんがもちもちとした食感なのは、炭水化物(でんぷん質)が多いからなのですね。
注意したいぎんなんの毒性
アーモンドに比べて低カロリーのぎんなんは、なんと50個食べても130kcal程度です。130kcalは、みたらし団子1串(65g)と同じくらいのカロリーになります。
しかし、いくらぎんなんが低カロリーで美味しいからといって食べ過ぎに注意しましょう。ぎんなんにはメチルピリドキシン (MPN) という成分が含まれています。この成分はビタミンB6の作用を妨げるため、嘔吐や痙攣などを引き起こす可能性があります。
ぎんなんは何個まで食べても大丈夫?
「公益財団法人 日本中毒情報センター」では、ぎんなんの経口中毒量について、保健師、薬剤師、看護師向けの中毒情報として、以下のように公表しています。
・子供7〜150個
・大人4〜300個
※ただし、基礎疾患やビタミンB6欠乏の程度も関係すると思われる
最後に
中国では紀元前2600年には、すでにぎんなんを喘息や気管支炎に用いていたという記録があるそうです。日本でも、古くからぎんなんを咳止めの漢方として利用しています。また、晩秋から冬にかけて、お料理にぎんなんを添えるだけで、日本の季節の移ろいを感じさせる小道具にもなります。この季節、上手にぎんなんを取り入れていきたいですね。
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