【管理栄養士が解説】欧米で人気の「5:2ダイエット」は本当にやせられるの?
5:2ダイエットとは「1週間のうち2日間だけプチ断食して、残りの5日間は自由に食べてよい」というダイエットです。欧米でブームとなり日本でも効果的と人気のダイエット法ですが、果たしてその効果は?他のダイエットと比較した研究報告をもとに、管理栄養士が解説します。
2019年12月19日
5:2ダイエットとは
5:2ダイエットのやり方
1週間のうち2日間だけ食べる量を普段の食事の1/4程度に減らし、5日間は自由に食べるという、プチ断食のダイエットです。 【回復食が成功の秘密?!】ファスティング後の3つのポイントとは?
5:2ダイエットの注意点
プチ断食日のルールは、下記のとおり。 ・連続しない2日間で行う ・1日の摂取カロリーは、男性:600kcal、女性:500kcal以下に制限 ・高たんぱく、低脂肪、低糖質の食材を食べる ・水分をしっかり摂る。お水の他、カロリーがなければコーヒーでもお茶でもOK
5:2ダイエットの健康面でのメリット
摂取するカロリーを一定時間抑えることで、アンチエイジング効果が期待できます。また高血圧・心臓病・糖尿病などの生活習慣病のリスクを軽減し、がんや認知症などの老年性疾患のリスク軽減にも効果があるとされています。 参考文献:週2日ゆる断食ダイエット(幻冬舎) 【アンチエイジングにも◎】実はすごい!美容効果を期待したいなら「鯛」がおすすめな理由
5:2ダイエットは最高のダイエット法なのか?
ニュース記事より
国立健康・栄養研究所が運営している「リンクDEダイエット」に掲載されている記事によると、「ドイツ栄養協会(DGE)は、間欠断食(5:2ダイエット)は長期の体重制御に適しているとはいえないという声明を発表している。加えて、DGEによれば、間欠断食には長期効果についての科学的根拠が充分でないという」とのこと。
研究の概要は?
こちらは独がん研究センター(DKFZ)とハイデルベルク大学病院からの研究報告です。 「150名の肥満者を1年以上追跡した。まず、参加者をランダムに3群に分けて、 1)通常のカロリー制限ダイエット(20%の制限)、2)5:2ダイエット(週当たり20%のカロリー制限)、3)対照群(他の群も含めて、DGEが推奨するバランスの良い食生活)を指導した」
研究結果は?
「どちらの群も、体重、腹部脂肪を減らし肝臓の過剰な脂肪も減少した」との結果でした。詳しく見ていくと… ・カロリー制限ダイエット、5:2ダイエット、バランスを意識して食べるグループの3つのグループは1年後、いずれも同じように体重が減り、内臓脂肪も減っていた ・人によっては、カロリーカウントをするよりも、単純に2日間何も食べない方が簡単で実行できるという人もいるだろう ・けれども、新しい体重を維持するためには、人々はバランスのとれた食生活にスイッチしなければならない と結論付けています。
5:2ダイエットは効果的?
管理栄養士の見解
急激なダイエットは、食欲を我慢している分、どこかで我慢ができなくなり自制が効かなくなってしまう、という危険がつきものです。 しかし、結果をすぐに得られなければ、モチベーションも上がらないということも事実。ドイツでの実験の主任研究者の結びの言葉と同じですが、実際のダイエットカウンセリングでも、5:2ダイエットで体重を落としたなら、その後は食事バランスや適度な運動、活動量を増やす生活に切り替えて無茶なダイエットをしなくても体重が維持するようにと支援します。
まとめ
5:2ダイエットのおすすめ度は?
5:2ダイエットを取り入れる場合は、長期間、何度も繰り返すのではなく、ある程度、体重が減ったあとはバランスの良い食事を意識・実践するとよいでしょう。あくまでも、健康的な食生活を送るためのきっかけを作る、という考えで試してみるとよいダイエット法だと思います。 参照:国立健康・栄養研究所「リンクDEダイエット」より「間欠断食は効果的だが、従来のダイエットより良いとはいえない」 (http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=65504&-lay=lay&-Find.html)
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著者
水谷 俊江(管理栄養士)
南米、北米で10年間生活した中で、改めて日本人の食文化の偉大さを感じました。美容クリニックでのダイエット指導、特定保健指導での相談業務に携わり、現在では「食」をテーマにしたコラムを執筆しております。世界の食文化と同じように、お一人お一人のお食事の環境や歴史は異なります。今の生活の中で無理なく太る習慣が改善できる方法をオートクチュールで提供いたします。
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