【8月25日は即席ラーメンの日】魔法のラーメン誕生秘話と塩分対策とは?

【8月25日は即席ラーメンの日】魔法のラーメン誕生秘話と塩分対策とは?

日本で作られている即席ラーメンは年間で約57億食。1人当たりの年間消費量は45.4食と、手軽に食べられることもあり、今では私たちの食生活に浸透していますよね。日本だけでなく海外でも親しまれていますが、即席ラーメンは日本生まれということをご存知ですか?今回は、日本で誕生した即席ラーメンの歴史と、食べる時に気になる塩分対策についてお伝えします!

なぜ8月25日が「即席ラーメンの日」なの?

チキンラーメンが発売された日だから

「即席ラーメンの日」は、1958(昭和33)年8月25日に、世界初の即席ラーメンであるチキンラーメンが発売されたことが由来です。チキンラーメンは、日清食品の創業者である安藤百福(あんどう ももふく)氏が開発しました。

チキンラーメンは数年前に即席ラーメンを開発した安藤百福氏と、その妻である仁子(まさこ)氏の半生をモデルにしたドラマが放送されたことでも注目されましたよね。

お湯を注いですぐに食べられる「魔法のラーメン」

即席ラーメン(インスタントラーメン)は大別すると、チキンラーメンなどの袋麺、カップヌードルなどのカップ麺の2種類があります。

袋麺であるチキンラーメンが販売された当時は、うどんが1玉6円であるのに対して、チキンラーメンは1食35円と少し高い価格でしたが、お湯を注いでたった数分で食べられるため、魔法のラーメンと呼ばれ、大ヒットしました。

ちなみに、チキンラーメンが販売された昭和33年は、東京タワーが作られた年であり、高度経済成長により人々の生活が豊かになり、さらには女性の社会進出の増加により、食事の手軽さが求められるようになった時代でした。

チキンラーメン開発秘話

戦後の屋台が開発の原点

チキンラーメンは開発者の安藤百福氏が、戦後の食糧難の中で闇市の屋台で温かいラーメンをすする人達の笑顔を見て、「いつでもどこでも食べられるラーメンを作り、多くの人を幸せにしたい」と思ったことが開発の原点です。

開発にあたっての5原則

即席ラーメンを開発するにあたり、5つの目標を決めました。

①おいしいこと
②調理が簡単なこと
③長く保存できること
④価格が手頃なこと
⑤衛生的で安全なこと

今、私たちが食べている即席ラーメンは、この5つの目標とともに試行錯誤の末に開発されたのです。

天ぷらをヒントに生まれた「瞬間油熱乾燥法」

即席ラーメンの多くは、瞬間油熱乾燥法という手法が使われています。瞬間油熱乾燥法とは、スープを染み込ませた麺を油で揚げることで麺の中の水分が抜け、小さな気泡がたくさんできます。

そして、揚げた麺にお湯をかけると麺の穴に入り、短時間で麺が元に戻りやわらかくなります。また、お湯をかけると麺に染み込ませていたスープが溶け出しラーメンが出来上がるというのが、即席ラーメンの原理です。

この瞬間油熱乾燥法は、妻の仁子氏が台所で天ぷらを揚げている姿を見てひらめいたそうです。さらに、油で揚げることで水分が減り微生物の繁殖が抑えられるため、長期保存に加え衛生的であるという目標もクリアできるようになったのです。

時代は袋麺からカップ麺に

カップ麺はアメリカでの体験がきっかけで生まれた

1966(昭和41)年、チキンラーメンを海外でも普及させるために、安藤百福氏が視察で訪れたアメリカ・ロサンゼルスのとあるスーパーマーケットで、チキンラーメンを試食してもらおうとした時です。アメリカには丼ぶりと箸がなく、その場にいたアメリカ人たちは紙コップにチキンラーメンを半分に割って入れ、その場で立ちながらフォークで食べはじめたのです。

そして、食べ終えた容器をゴミ箱に捨てるという、食習慣の違いを目の当たりにし、カップ麺の開発をはじめました。そして、着想から5年後の1971(昭和46)年に世界初となるカップ麺の「カップヌードル」がついに発売されたのです。

機動隊員が食べる姿が大ヒットのきっかけに

袋麺が25円に対してカップヌードルは100円と価格が高すぎることに加え、当時の日本ではまだ海外のように食事を立ちながら食べるといった習慣がなかったため、カップヌードルはなかなかヒットしませんでした。そこで、給湯機能付きの自動販売機を全国に設置して、商品を多くの人に知ってもらうようにし、徐々に認知を高めていきました。

そして、発売から1年経った1972年に転機が訪れます。あさま山荘事件で、機動隊員が非常食として配られたカップヌードルを食べる姿がテレビ中継で流れたことをきっかけに、カップヌードルが大ヒット。そして今では国民食として親しまれています。

塩分が気になる即席ラーメンを食べる時のポイント

作りかた次第で塩分カットができる

手軽に食べられるとはいえ、即席ラーメンは塩分量が多いというのが難点ですよね。日本即席食品工業協会によると、即席ラーメンの食塩相当量は1食当たり4.8gです。

日本人の食事摂取基準(2020年版)での1日あたりの食塩相当量の目標量は男性で7.5g、女性で6.5gのため、即席ラーメンを食べると1日の目標量の60〜70%の塩分量を摂ってしまうことになります。

最近では減塩タイプの商品も出ていますが、塩分量を抑えるには、

①スープは全部飲まないで残す
②粉末スープや液体調味料などは全部入れない
③麺の中にも塩分が含まれているため、麺を茹でたお湯は捨てて、別のお湯でスープを作る

このように、少し作り方を変えるだけでも、塩分量を少なくすることができます。

香味野菜や酸味を加える

薄めに作ったスープでは味気ないなというときには、生姜やニンニク、長ネギ、三つ葉といった香味野菜を加えることで風味がアップします。また、酢やレモン果汁など、酸味を加えてさっぱりとした味に仕上げるのもおすすめです。

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野菜を足して塩分を排出する

さらに、塩分が気になるのであれば、体の外に塩分(ナトリウム)を排出してくれる働きのあるカリウムを多く含む野菜やきのこ、海藻類を一緒に摂ることをおすすめします。

とはいえ、即席ラーメンは調理の手軽さが売りですよね。ですので、カット野菜や冷凍野菜、乾燥野菜など、包丁を使わなくても良いものを活用することがおすすめです。

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まとめ

食べ過ぎには気をつけて上手に活用しよう!

世界初の即席ラーメンが誕生してから半世紀以上が経ち、今ではたくさんの種類が販売されています。また、今では日本だけでなく、世界中で食べられています。開発において、幾度となく訪れた困難を乗り越えて出来上がった即席ラーメンは、日本が誇る発明品です。

そして、何かと忙しい現代人にとっては、お湯を注ぐだけで食べられる即席ラーメンは、強い味方ですよね。即席ラーメンを食べる機会が多くなりがちな方は、塩分が多い点には注意して、上手に活用していきましょう。

【参考文献】
・総務省統計局/なるほど統計学園/今日は何の日?/8月25日 即席ラーメン記念日
(https://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d0825.html)
・日清食品グループ/安藤百福クロニクル
(https://www.nissin.com/jp/about/chronicle/)
・一般社団法人日本即席食品工業協会/インスタントラーメンナビ/インスタントラーメンデータ
(https://www.instantramen.or.jp/data/)
・一般社団法人日本即席食品工業協会/インスタントラーメンナビ/栄養成分を知ろう
(https://www.instantramen.or.jp/dictionary/nutritional_composition/)
※閲覧日:2020年6月29日(全て)

・安藤百福(著)「魔法のラーメン発明物語―私の履歴書」日本経済新聞出版(2002年)

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