【10月1日は日本酒の日】世界に誇る「日本酒」の起源と生産量1位の県は?

【10月1日は日本酒の日】世界に誇る「日本酒」の起源と生産量1位の県は?

10月1日は「日本酒の日」であることをご存知ですか?和食とともに世界から注目を浴びている日本酒。そもそも私たち日本人は、いつから日本酒を飲んでいたのでしょうか。そこで今回は、改めて知っておきたい日本酒の起源と、日本酒をめぐる最新動向をお伝えします!

2021年10月01日

「日本酒の日」の由来は?

10月は酒造りが始まる時期

日本酒の日は、1978年(昭和53年)に日本酒造組合中央会が制定しました。 10月は新米を収穫して酒造りを始める時期です。また、日本酒造り業界の1年の区切りである醸造年度(または酒造年度)が、1964(昭和39)年までは10月1日からであったことから、「酒造りの元旦」として祝う風習があったため、10月1日を「日本酒の日」に制定しました。

酉は酒壺を表す

10月1日を日本酒の日に制定した理由は、もう一つあります。酒はさんずいに酉(とり)と書きますが、酉は元々「酒壺」を表す象形文字です。十二支では、酉は10番目に来ることも、10月1日を日本酒の日に制定した理由です。

日本酒はいつから造られている?

2000年以上も前から造られていた!

米を原料とする日本酒が造られるようになったのは、諸説ありますが、今から2000年以上も前の、稲作が始まった弥生時代にはすでに造られていたのではないかと考えられています。 また、邪馬台国に関しての記述がある中国の書物「魏志倭人伝」の中には、倭人(日本人)がお酒を飲んでいたという記載があります。しかし、このお酒が米から作られた日本酒であったかまでは記載されていないため、弥生時代から日本酒が造られていたかは定かではありません。

日本酒の起源「口噛み酒」

奈良時代初期の「大隅国風土記」の中で口噛み酒についての記載があり、口噛み酒が日本酒の起源なのではないかと推測されています。 当時の日本酒は、加熱した米などの穀物を口の中で噛んでから吐き出し、数日放置して作られていました。日本酒は米の中に含まれているデンプンを麹が糖に変え、アルコール発酵することで作られます。口噛み酒では、唾液中のアミラーゼがデンプンを糖に分解し、野生酵母によってアルコールが作られていました。 ちなみに、口噛み酒は、映画「君の名は。」の中で登場したことで、公開された当時話題となりました。

日本酒は主にどこで作られてるの?<平成30年度日本酒生産量ランキング>

第1位:兵庫県(110,391kl)

日本で一番日本酒を生産しているのは兵庫県で、その量は国内で生産されている日本酒の27%と1/4を占めています。酒造りに適した気候や良質な水源に加え、酒米の王者である山田錦が誕生したことが、兵庫県の日本酒生産量が多い理由であると言われています。 また、「大関」、「沢の鶴」、「菊正宗」などの大手酒造メーカーが兵庫県にあることも、生産量トップに寄与していると考えられます。

第2位:京都府(69,168kl)

京都の中でも伏見は酒どころとして有名です。生産量が一番多い兵庫県が酒造りに使う水に比べて、伏見の水はミネラルが少ない軟水です。さらにゆっくりと日本酒を仕込むことで、柔らかい味わいが楽しめます。そのため、伏見で造られる日本酒は「女酒」とも呼ばれています。 また、京都府にも「月桂冠」、「宝酒造」といった大手酒造メーカーがあります。

第3位:新潟県(34,779kl)

米どころとしても名高い新潟県は、生産量は第3位ですが、酒造の数は日本一です。山田錦の次に生産量の多い酒米である「五百万石」が誕生したのも、新潟県です。 新潟県で生産されている日本酒は、五百万石の特徴である淡麗でスッキリとしたキレのある味のものが多いです。

今や海外でも大人気の日本酒

輸出量は9年連続で増加

財務省貿易統計(平成30年度)によると、日本酒の海外への輸出量と輸出金額は9年連続で増加しています。輸出金額が最も多い国はアメリカで、輸出量全体の28%を占めています。次いで香港、中国、韓国、台湾とアジア諸国となっています。 2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことをきっかけに、海外で和食とともに日本酒も高く評価されるようになったことで、日本酒の輸出量が増加しています。 【ダイエット中も飲める?】上手なお酒の楽しみ方

海外で造られた清酒は「SAKE」

ワインが日本でも作られているように、海外でも日本酒が造られています。しかし、海外で造られたものは日本酒とは名乗れないことをご存知ですか? 平成27年に国税庁は、日本以外で製造された清酒との差別化を図る目的で、「原料の米に国内産米のみを使い、日本国内で製造された清酒のみが日本酒と名乗ることができる」と日本酒の地理的表示を定めました。これにより、海外で造られているものは「SAKE」と表記されています。 【この違い知ってる?】「料理酒」と「清酒」の特徴を知って料理をもっとおいしくしよう!

まとめ

日本酒の魅力を見つめ直そう

日本酒の日にちなんで、日本酒の歴史や生産量についてお伝えしました。歴史のある日本酒は、海外への輸出量が増えている一方で、国内での消費量は減少傾向にあります。しかし、最近では「日本酒女子」という言葉が誕生したように、若い女性の間で日本酒への注目度が高まっています。 「日本酒の日」には、日本が誇る日本酒の魅力を、改めて感じてみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 ・上田誠之助(著)「日本酒の起源−カビ・麹・酒の系譜」八坂書房(2020年) ・総務省統計局/なるほど統計学園/10月1日 日本酒の日 (https://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d1001.html)※閲覧日:2020年7月17日 ・国税庁/平成30年度 間接税/酒税/製成数量 (https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/sake2018/pdf/08_suryo.pdf)※閲覧日:2020年7月17日 ・国税庁/清酒製造業の概況(平成30年度調査分)/企業数の推移(都道府県別) (https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/seishu/2018/pdf/15.pdf)※閲覧日:2020年7月17日 ・国税庁/酒類の輸出金額・輸出数量の推移について (https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/sake_yushutsu/sake_yushutsu.pdf)※閲覧日:2020年7月17日 ・国税庁/お酒の地理的表示(GI)を 知っていますか? (https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sake/03.pdf)※閲覧日:2020年7月17日

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著者

河村 桃子(管理栄養士)

管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。


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