【富山県のご当地食材】冬の味覚「氷見の寒ブリ」が美味しい理由

ブリやサバなどの青魚は、DHAやEPAが豊富です。このDHAやEPAは、美容にもうれしい働きがあります。今回は、富山を代表するブランド魚である「氷見の寒ブリ」のおいしさの秘密と美容に役立つ栄養素について、管理栄養士の視点で解説いたします。

2020年11月17日

富山の代表ブランド魚「氷見の寒ブリ」

氷見寒ブリとは

富山県にある氷見漁業協同組合と、氷見魚仲買商業協同組合からなる氷見ブランド対策協議会から認定されたブリが、「氷見の寒ブリ」となります。「氷見の寒ブリ」は、氷見ブランド対策協議会が定めた期間内に、富山湾の定置網で捕獲され、氷見漁港で競られたブリの中で6kg以上あるものが認定されます。「氷見の寒ブリ」と認められると、統一された青い箱で、1尾に1枚の販売証明書が発行され、出荷されていきます。

豊魚を知らせる「鰤（ブリ）起こし」

晩秋から初冬にかけて、富山湾では地響きのような雷鳴とともに、強風が吹き荒れ、吹雪に襲われます。この天候の変化が、地元ではブリの豊魚のサインとなり、本格的なブリのシーズンの訪れを知らせてくれます。

ブリは縁起物

縁起のよい出世魚

魚のなかには、成長と共に名前を変えていく魚がいます。これは、成長する過程の中で、見た目も味わいも変わり、店頭で違う魚として取り扱われているからです。江戸時代には元服や出世に伴い、名前を変えていました。このことに似ていることから、縁起を担いで「出世魚」と呼ばれるようになり、祝いごとなどで出されることが多くあります。

ブリの成長

ブリはこの出世魚の代表で、関東、関西、九州など、各地域でも呼び名が異なっています。富山では、稚魚のモジャコから始まり、20cm足らずをツバイソ、コズクラ、1歳になるくらいまでをガント、2歳までをニマイズル、3歳までをブリ、4歳までをサンカブリ、5歳になるとオオブリと呼び名が変わっていきます。

氷見の寒ブリが美味しい理由

栄養豊富な富山湾

富山湾は、日本海の中央部にある能登半島の北西部に位置しています。海の向こうには、3000ｍ級の北アルプス立山連峰を望み、多くの有機物を含む河川水が流れ込むことによって、豊富なプランクトンや小魚が育っており、ブリにとっては格好のえさ場となっています。さらに富山湾は深層水に育まれることによって、身が引き締まり、美味しいブリとなるのです。

富山湾に訪れるタイミングが絶妙

回遊魚であるブリは、夏場は北上し、冬場は南下してきます。12月から1月は産卵直前のため、1年の中でも一番脂がのった状態になっています。一番美味しいタイミングで、ブリは富山湾に訪れます。

漁師さんの愛情

氷見では、定置網でブリを捕獲します。捕獲したあとは、沖水を充分に使用することで鮮度を保っていることも、美味しさの秘訣となっています。

キレイをつくる「ブリ」

低カロリー食材

ブリは100gあたり257kcalです。お刺身や焼き魚、煮魚などで食べることが多く、食べごたえがあり、低カロリーに抑えることができる食材です。【美味しい&ヘルシー！】管理栄養士おすすめ！魚が主役の1週間献立

美容にうれしいω-３脂肪酸

あぶらと聞くと、ついつい悪者にされがちですが、ダイエット中にこそ摂りたいのがω-３脂肪酸です。ω-3脂肪酸は、血流を良くし、細胞の潤滑油となり、きれいな肌を作るには欠かせない栄養素です。しかし、体内で作ることができないため食事から摂る必要があります。ω-３脂肪酸であるDHAやEPAを多く含むブリは、女性のきれいな肌を作るためにおすすめの食材です。【知って得する！】さつまいもの魅力と皮ごと使う美味しいレシピ3選

まとめ

地元では、ブリ丼や刺身でいただく他に、しゃぶしゃぶやブリ大根、塩焼きなど、さまざまな形で食べられています。体重や体調コントロールするうえでも、今年は栄養豊富なブリを積極的に食べてみませんか？【参考文献】・富山県氷見漁業協同組合／氷見の漁業（http://www.tyhimigyokyo.jf-net.ne.jp/syoukai/index.html）閲覧日：2020年9月9日・富山県氷見漁業協同組合／環境保全・資源管理（http://www.tyhimigyokyo.jf-net.ne.jp/torikumi/index.html）閲覧日：2020年9月9日・きときとひみどっとこむ／5分で分かる氷見のこと／氷見の魚／ひみ寒ぶりと氷見イワシ（http://kitokitohimi.com/site/gofun/106.html）閲覧日：2020年9月9日・コトバンク／出世魚とは（https://kotobank.jp/word/%E5%87%BA%E4%B8%96%E9%AD%9A-528960）閲覧日：2020年9月23日