【干し柿の秘密】渋柿の渋さは一体どこへ?
日本の伝統的なドライフルーツの干し柿。あんなに甘いけど、干す前の渋柿は顔をしかめるほど渋みがありますよね。なぜ干すと甘くなるのでしょうか?今回はそんな不思議な干し柿の甘さの秘密を紹介します。
2021年11月21日
干し柿の材料「渋柿」とは?
柿は甘柿と渋柿の2種類ある
柿は甘柿と渋柿に大きく分かれております。一般的にスーパーなどで売っているそのまま食べられるものが甘柿で、今回紹介する干し柿の材料になっているものが渋柿です。渋柿は渋味が強く、そのままでは食べられません。
渋柿だけ渋味があるのはなんで?
柿の渋味の正体は「水溶性タンニン」によるものです。緑茶の渋味もタンニンによるものです。渋柿に含まれるタンニンは水溶性なので口の中で溶けてしまい、渋味を感じます。甘柿の場合、幼果のときはこの「水溶性タンニン」があるのですが、柿が熟し収穫するときには「水溶性タンニン」が「不溶性タンニン」に変化しているのです。この現象を不溶化といいます。つまり不溶化によって、甘柿は口に入れてもタンニンが溶けないので渋味を感じず、甘く感じます。
干し柿はなぜ甘い?
干し柿の「干す」に秘密があった?!
「水溶性タンニン」が含まれることで、渋味を感じる渋柿からできている干し柿ですが、なぜ干し柿はあんなにも甘いのでしょうか。それは、渋柿を干すことによって水分が抜け、タンニンが甘柿と同じように不溶化するからです。昔から伝統的に行われており、人の手でおこなうタンニンの不溶化を「渋を抜く」と呼んできました。干すことによって、腐りにくく長期保存できるようになるので、干し柿は冬の保存食として重宝されていました。
干す以外に柿の渋を抜く方法
干す以外にもタンニンを不溶化し、柿の渋を抜く方法があります。それはアルコールや炭酸ガスを使って渋抜きする方法です。今回はアルコールで渋抜きする方法を紹介します。アルコールは飛んでしまうので、お子様や妊娠中でも安心して召し上がれます。ご家庭でもできるので、もし興味があれば挑戦してみてはいかがでしょうか。 【柿をアルコールで渋抜きする方法】 1 お皿に焼酎などのお酒を少し注ぐ 2 柿のヘタの部分を2~3回浸す 3 柿をポリ袋などで密閉し、約1週間室内で置いておく
干し柿は身体によいの?
干し柿は食物繊維が豊富だけど食べすぎ注意!
干し柿には日本人で不足している人が多いといわれている食物繊維が豊富です。中でも特に水に溶けない「不溶性食物繊維」が多く含まれています。不溶性食物繊維は便秘の改善に役立ち、腸をきれいにすると期待されています。甘くて美味しく更に食物繊維の豊富な干し柿ですが、食べすぎは注意です。もしおやつとして干し柿を食べるのであれば、1日2個までに留めておいた方がよいでしょう。
まとめ
干し柿で季節を感じよう
干し柿の甘さの秘密は干すことにありました。先人たちの知恵は素晴らしいですね。コロナ禍でなかなか外出できない昨今ですが、干し柿を食べて季節を感じて楽しみましょう。 【参考文献】 ・農林水産省「甘柿と渋柿の違いについて、教えてください。」https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1909/02.html(閲覧日:2021年9月15日) ・毎日新聞「干し柿はなぜ甘くなるの?」https://mainichi.jp/maisho/articles/20161009/kei/00s/00s/012000c(閲覧日:2021年9月15日) ・簡単!栄養andカロリー計算「干し柿のカロリー」https://www.eiyoukeisan.com/calorie/gramphoto/kudamono/hosigaki.html(閲覧日:2021年9月15日) ・健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html(閲覧日:2021年9月15日) ・厚生労働省 e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html(閲覧日:2021年9月15日)
【やせ習慣が身につく】管理栄養士が食生活をコーディネートするアプリって?
まずは無料でスタート♪食事を撮るだけ、プロから食事のアドバイスが届く!
- 専属の管理栄養士がダイエットをサポート
- 食制限なし!正しく食べて身につく「やせ習慣」♪
- 管理栄養士が、写真を目で見て丁寧にアドバイス。AIではありません!
- 「あってるかな?」そんな食事のお悩みを正しい知識でアドバイス
著者
寒川 祐美加(管理栄養士)
「人を良くすると書いて食」をモットーに関わった方々が健康で笑顔になれるようなお手伝いをしたいと想い、日々奮闘する管理栄養士。学生時代、食生活を改善し健康の大切さを知ったことをきっかけに管理栄養士に。大学卒業後は、製薬会社で生活習慣病領域を担当。現在はその経験を活かして特定保健指導やコラムの執筆に従事しております。