1年間いもだけ食べ続けたダイエット…からだへの影響について管理栄養士が解説します!

1年間いもだけ食べ続けたダイエット…からだへの影響について管理栄養士が解説します!

お芋だけを1年間食べ続けるという計画を実践中のオーストラリア人男性。ご自身の食事・体重記録をFacebookに投稿し、すでに6000件以上の「いいね」が寄せられ注目を集めています。今回は、この「いもだけダイエット」について、管理栄養士が検証します。

2016年03月01日

1年間いもだけを食べた続けたダイエット…果たしてその結果は?

”芋だけ”を1年間食べ続けているという、オーストラリア人男性のいま

お芋だけの生活。2016年2月23日で54日目を迎え、ご本人曰く、体調も良好で、ゆでたりすりつぶしたり、パンケーキにしたりと食を楽しんでいるとのことです。そして、現在の体重は17kg減。 ちなみに、芋類の主成分は炭水化物。体のエネルギー源となるものです。じゃが芋は「大地のリンゴ」と呼ばれるだけあって、ビタミンB群やビタミンCは豊富。加熱に弱いビタミンCですが、じゃが芋のビタミンCは、加熱してもデンプンに守られ壊れにくいという特徴があります。

しかし…芋だけ生活の落とし穴

三大栄養素のうち2つが欠けてしまうという欠点が!

ヒトが生きていくために最低限必要な栄養素を三大栄養素といいます。 ■エネルギー源となる炭水化物 ■エネルギー源や細胞膜・ホルモンの材料になる脂質 ■筋肉や血液などカラダをつくったり、ホルモンの材料になるたんぱく質 カラダは生きていくため、食べた物で何とか「まかなおう」とします。しかし、たんぱく質の中の必須アミノ酸や脂質の必須脂肪酸は体の中で作り変えることができないもの。食べ物で摂るしか方法はありませんが、いも類だけではたんぱく質、脂質が欠乏してしまうのです。

カリウムの多量摂取は、体の不調を招きやすくなる。

また、イモ類にはカリウムといわれる成分が多く含まれています。カリウムはナトリウムとバランスをとりながら血圧の調整や筋肉の収縮に携わっていますが、カリウムだけを多く摂り過ぎるとバランスを崩し、体の不調につながったり、また腎臓の機能が低下している方は排泄障害につながることもあります。 さらに、脂質やタンパク質の消化・吸収に使われる消化器官も働かなくなってしまい、いも類以外のものを食べようとしても、その時にきちんと機能するかどうかもわからない状態となります。

健康的に生きていくのは難しいかも…?

もちろん、三大栄養素以外のビタミンやミネラル類も大きく不足することは確実です。 体脂肪1kgには7000kcalのエネルギーが蓄えられています。イモ類だけを食べていくことで、生きていく事はできるかもしれませんが、健康的に生きていけるかは難しいと考えられます。

「○○だけダイエット」あるある

減量成功後何を食べればいいかわからなくなりがち

一度でもダイエットをしたことがある方、そして成功経験がある人は、ダイエットが終わった時に、いったい何を食べていいのだろう。と悩んでしまう方が多いのです(実際、殆どの方がそうなります)。 また、ダイエットや食の情報の氾濫で、何を食べたらいいのかわからなくなってしまうというのも事実。これはOK、あれはNGと極端に決めてしまうことに、つながりかねません。 “いもだけダイエット”を始めた男性も、おいもだけと決めることで、気持ちの安定を得たのかもしれません。しかし、単品ダイエットはカラダにいいことは何もないのです。いもだけダイエットを終えた途端、何を食べたら良いのかますますわからなくなってしまう。という心の不健康が心配です。体の健康も、いもだけダイエットの行方も心配ですね…

最後に

バランス良く食べるということは難しいことですが、一番大切なこと。健康的なダイエットのためにも、主食、主菜、副菜をそろえたお食事を、よく噛んで楽しく食べてくださいね。

引用元

「1年間いもだけ」実践中の豪男性、楽しみながら減量も:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160223-00000035-jij_afp-int

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著者

水谷 俊江(管理栄養士)

南米、北米で10年間生活した中で、改めて日本人の食文化の偉大さを感じました。美容クリニックでのダイエット指導、特定保健指導での相談業務に携わり、現在では「食」をテーマにしたコラムを執筆しております。世界の食文化と同じように、お一人お一人のお食事の環境や歴史は異なります。今の生活の中で無理なく太る習慣が改善できる方法をオートクチュールで提供いたします。


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