【うま味の相乗効果って?】和食に欠かせない「だし」をもっと美味しくする方法

【うま味の相乗効果って?】和食に欠かせない「だし」をもっと美味しくする方法

和食に欠かせない存在といえば、うま味たっぷりの「だし」ですよね。かつおだし、昆布だし、煮干しだし等、様々な種類がありますが、これらのだしを組み合わせることで料理がもっと美味しくなるってこと、ご存知でしたか?今回は、そんなうま味の相乗効果についてご紹介いたします!

2019年12月06日

うま味たっぷり、だしの魅力

和食に欠かせないうま味の宝庫!

「和食の基本」ともいわれるだし。和食に欠かせない存在として知られ、料理に豊かな香りやうま味をもたらします。 食材を水で煮出して、うま味成分を抽出して作ります。使われる食材はかつお節や昆布、煮干しや干し椎茸など様々。素材や味付け、調理法に合っただしを組み合わせて使うのが、料理人の腕の見せ所です。 【さらに美味しく】味噌の豆知識とシーン別おすすめ味噌汁3選

「うま味」って何?

うま味は、味を構成する5つの「基本味」の1つです。もともとこの基本味は「甘味・酸味・塩味・苦味」の4つだと考えられていました。しかし、この4つだけでは説明しきれない、もう1つの味があることを発見したのが、日本人の池田菊苗博士です。 彼が着目したのは、日本人の食卓に欠かせない「昆布だし」で、ここから「グルタミン酸」という成分を抽出しました。これが5つ目の味の正体であるとわかり、「うま味」と名付けられました。近年の和食人気もあり、今では日本だけではなく「UMAMI」として世界中でも注目される存在となっています。

「うま味」にはどんな成分があるの?

●イノシン酸 かつおだしや煮干しだしの主なうま味成分として知られるイノシン酸。かつお節や煮干しだけでなく、その他の魚類や肉類にも含まれている成分です。 ●グルタミン酸 昆布だしの主なうま味成分として知られるグルタミン酸。トマトなどの野菜や、チーズなどの発酵食品にも含まれています。 ●グアニル酸 干し椎茸を戻した時にできる戻し汁(椎茸だし)に含まれるうま味成分がグアニル酸です。乾燥ポルチーニや海苔などにも含まれていますが、ダントツで干し椎茸に多く含まれるうま味成分です。

種類の違うだしを組み合わせてさらに美味しさアップ!

うま味の相乗効果で和食をさらに美味しく!

だしに含まれるうま味成分は、違う種類のものを組み合わせて使うことでさらに美味しさがアップします。これを「うま味の相乗効果」といい、和食では素材や調理方法に合わせて様々な合わせだしが使われています。 うま味の相乗効果を生み出すポイントは、アミノ酸系のうま味(グルタミン酸)と核酸系のうま味(イノシン酸、グアニル酸)を組み合わせること。この2つのうま味が組み合わさったときに、舌にある「味蕾」という味覚を感じるセンサーが敏感になり、うま味をより強く感じることができるんです。 和食で最もポピュラーな合わせ出汁が「かつお昆布だし」。かつおだしのイノシン酸と昆布のグルタミン酸が合わさり、美味しさがパワーアップ!そのうま味の強さは、単体のうま味の7~8倍といわれています。鍋や麺類のつゆ、煮物、そして味噌汁と、家庭の料理でも欠かせない存在です。

和食だけじゃない!うま味の相乗効果を活かした世界の「だし」

うま味の相乗効果を料理に活かしているのは、和食だけではありません。 中国のだしである「湯(タン)」は、長ネギや生姜などの野菜(グルタミン酸)と肉や魚介(イノシン酸)、そして西洋料理の「ブイヨン」も玉ねぎやセロリ、人参などの野菜(グルタミン酸)と鶏や牛肉(イノシン酸)を組み合わせて、複雑なうま味を作り出しています。 日本だけでなく、世界中の人々は、このうま味の相乗効果が科学的に証明される前から、こうして食材を組み合わせることで美味しいだしがとれることをわかって料理に活かしていたなんて、驚きですよね…!

まとめ

うま味の相乗効果で、ワンランク上の美味しいお料理を♪

いかがでしたか?うま味がぎゅっと詰まっただしを上手に組み合わせて、ご家庭での料理をもっと美味しく楽しんでみてくださいね! 【実は低カロリーじゃない!】冬の定番「鍋」をヘルシーに仕上げる方法とは?

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著者

谷口 美希(管理栄養士)

食べることと料理が大好きで、大学で栄養学を学ぶ。卒業後は管理栄養士として老人ホームや健診センターに勤務。 現在は、特定保健指導やオンラインでの栄養指導、コラムの執筆などに携わっており、栄養の面からたくさんの方の健康を支えていくことを目指しています。


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