【死亡率が変わる?】たんぱく質の種類と健康への影響を解説

【死亡率が変わる?】たんぱく質の種類と健康への影響を解説

健康のためにたんぱく質をきちんと摂ることが大切だとよく耳にしますよね。たんぱく質が何に含まれているのか、どの食材を選ぶとよいのか気になりませんか?どのたんぱく質源が健康に影響するかを調べた研究とともに、管理栄養士が食事のたんぱく質について解説します。

2020年10月15日

植物性たんぱく質の摂取量と死亡率の関係

研究内容

総死亡率と原因別の死亡率、植物性たんぱく質の摂取量の関係を調べる研究があります。 米国国立生成研究所が16年間にわたり、男女416,104人を対象に行った前向きコホート研究「Hearlth-AAAダイエットおよび健康研究」のデータを分析して行われました。

健康への影響は?

研究結果

植物性たんぱく質の摂取量の増加は、男女ともに全体的な死亡率の低下に関連があるという結果になりました。喫煙、糖尿病、果物の消費、ビタミン剤の使用などの自己申告による健康状態を考慮しても同様にみられたのです。

どのくらい植物性たんぱく質を摂ったらよいのか

総摂取エネルギーのうちの3%を、動物性たんぱく質から植物性たんぱく質に置き換えると、総死亡率が女性で10%低下、心血管疾患の死亡率は女性で12%もリスクが低下しました。主に、卵のたんぱく質と赤身肉のたんぱく質を植物性たんぱく質に置き換えると、死亡率の低下が高かったとのことです。 食事中のたんぱく質源を動物性から植物性に変えることで健康寿命に影響を与える可能性があるという結果になりました。

たんぱく質源を解説

たんぱく質は大切な栄養素

たんぱく質は筋肉や血液、皮膚などを作る健康維持に大切な栄養素です。良質なたんぱく質は肉、魚介類、卵、大豆や大豆製品に多く含まれています。総摂取エネルギーの3%とは、1日1600kcal摂っている場合48kcal、たんぱく質量にすると12gです。

動物性たんぱく質

動物性たんぱく質は、肉類、魚介類、卵類、牛乳、乳製品などに多く含まれます。卵と赤身肉を例にあげ、100g中の動物性たんぱく質の含有量をチェックしてみましょう。 ■鶏卵(生)、12.4g ■和牛もも(赤肉、生)、21.3g  ■豚もも肉(赤肉、生)、21.9g 【やせる秘密があった?】ダイエットしたいなら「鮭」を食べるべき?

植物性たんぱく質

植物性たんぱく質は大豆、大豆製品に多く含まれます。他に穀類や野菜類など様々な食品に含まれていますが、同じ量で比べると大豆や大豆製品よりも含有量が少ないです。米などを主食として1日3食主食を食べる私たち日本人は、穀類もたんぱく質源になっています。100g中の植物性たんぱく質の含有量をチェックしてみましょう。 ■糸引き納豆、16.5g  ■ご飯(水稲めし、精白米、うるち米)、2.5g  ■うどん(ゆで)、2.6g ■ブロッコリー(ゆで)、3.9g ■アーモンド(乾)、19.6g

どのくらい置き換えるのか

12g程の動物性たんぱく質は、卵なら2つ程度、牛や豚もも肉は50g程です。動物性たんぱく質を植物性たんぱく質を多く含む大豆や大豆製品、野菜、種子類などに置き換えていくとよいでしょう。1日の中で下記の例1と例2を行うと、12g程度のたんぱく質を置き換えることができます。 例1:ベーコンエッグを納豆に替える ■ベーコンエッグ(ハーフベーコン2枚と卵1つ)、8.6g ■納豆1パック、8.2g 例2::炒め物やスープのウインナーを生揚げに替える ■ウインナー2本、4.6g ■生揚げ50g、5.3g 【肉・卵・チーズを食べるだけ!】今話題の「MEC食ダイエット」って?

たんぱく質は量と種類、両方に注目!

食事バランスを整えるために

動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を、偏りなくバラエティーに摂ることができるとよいです。穀類、豆類、種子類、野菜類などからも植物性たんぱく質を摂ることができます。主食、主菜、副菜をバランスよく、様々な食材から摂ることができるとよいですね。 【参考文献】 ・Link de Diet/たんぱく質源の違いとその結果(https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=71552&-lay=lay&-Find.html)閲覧日:8月30日 ・日本食品成分表2020七訂

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著者

森本 芙好(管理栄養士)

管理栄養士。体調不調をきっかけに栄養学を学ぶ。 ダイエットの失敗を乗り越えた経緯から『なりたい自分』を目指す方の役に立ちたいと思い、現在は特定保健指導、コラム執筆に携わる。 自身の食事テーマは、美容に良く、おいしい食事を楽しく食べること。 ひとりひとりの価値観を大切に、自らを大切にするための身体にやさしい食事を提案することを目指しています。


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