【未来の自分も健康で!】若いうちからの対策が重要な「ロコモ」について解説
若い女性にロコモティブシンドローム予備群が増えてきていることを知っていますか?若い女性の「やせすぎ」問題が取り上げられるようになり、10年以上が経ちます。やせすぎると身体に必要な栄養素が補えていないことがあり、この栄養不足が貧血やだるさ、疲れやすさにつながるうえに、慢性的に不足すると無月経や低血圧、不整脈を引き起こす可能性もあります。今回は、若い女性たちにも広がっている「ロコモティブシンドローム」について解説します。
2021年02月12日
若い女性にも広がるロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームとは?
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態をロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)といいます。 私たちは、日常の中で立つ、歩く、作業するなど様々な動作を行っています。この動作を行うのが、骨・関節・筋肉・神経などの運動器です。これらの動きが低下した状態がロコモです。ロコモが進行すると将来的に介護が必要となり、生活の質に大きく影響していきます。
若くても無縁ではないロコモ
介護と聞くとまだまだ先のような気がするかもしれませんが、ロコモは若いうちのライフスタイルが大きく影響しており、若いから大丈夫というわけではありません。 20代女性の5%弱は既にロコモ予備群とも言われています。年齢を重ねるごとに徐々に増え、40代になると10%以上はロコモ予備群になります。若いうちからの対策が、いつまでも元気に動ける秘訣です。
ロコモチェックをしよう
骨や筋肉、関節などの運動器が衰えていないかロコモチェックをしてみましょう。 7項目のうち、1つでも当てはまるとロコモの疑いがあります。日々の食事で筋肉と丈夫な骨を作り、バランス力と下肢力を鍛えることが必要です。もし、膝や腰などの関節の痛みがあるなど日常で支障を感じる場合は、整形外科を受診して医師に相談しましょう。 ▢ 片脚立ちで靴下がはけない ▢ 家の中でつまずいたりすべったりする ▢ 階段を上るのに手すりが必要である ▢ 家のやや重い仕事が困難である ▢ 2kg程度(1Lの牛乳パック2本程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である ▢ 15分くらい続けて歩くことができない ▢ 横断歩道を青信号で渡り切れない
食べて備えるロコモ対策
しなやかな筋肉と丈夫な骨がロコモ対策には欠かせません。筋肉には、たんぱく質と糖質が必要です。筋肉はグリコーゲンという形で糖質を蓄え、筋肉を動かすエネルギーとして使っています。そのため、たんぱく質+糖質を補うことで、しなやかな筋肉を作ることができます。 骨はカルシウムとコラーゲンでできています。丈夫な骨を作るためには、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやビタミンKを一緒にとることが必要です。さらに、骨質を支えるコラーゲンの劣化を防ぐためには、たんぱく質に加えてビタミンB6やビタミンB12、葉酸が必要になります。 これらの栄養素をまんべんなく補うためには、まずは1日3食食べること、食卓は主食1品、主菜1品、副菜2品を目安に食べることが大切です。そのうえで、次の10品目のうち7つ以上を揃えることを心がけましょう。 主菜のグループ:魚、肉、卵、大豆 副菜のグループ:野菜、海藻、いも その他のグループ:油、牛乳、果物
簡単ロコトレを始めよう
ロコモ対策は、バランス力と下肢筋力のアップです。この2つは「片脚立ち」と「スクワット」で鍛えることが可能です。
「片脚立ち」でバランス力を高める
姿勢をまっすぐに、床につかない程度に片脚を上げ、左右ともに1分間、1日3セットを目安に行います。この際、転倒しないようにつかまる場所も確保しておきましょう。 【便秘解消に!】5分でできる「美腸」エクササイズ3選
「スクワット」で下肢筋力を高める
足を肩幅に広げて立ち、おしりを後ろに引くように2~3秒間かけてゆっくり膝を曲げ、ゆっくり戻します。1セット5~6回、1日3セットを目安に行います。動作中は息を止めず、膝の曲がりが90度を大きく超えないようにしましょう。 【自宅で簡単】ダイエット効果が期待できる「スクワット」のやり方4つ
まとめ
強い足腰を保つことが元気の秘訣です。外出機会が減っている今だからこそ、バランスのよい食事と適度な運動を意識して、未来の自分のために健康維持に努めてみませんか。 【参考文献】 ・日本整形外科学会/ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト ロコモONLINE(https://locomo-joa.jp/)閲覧日:2020年12月30日 ・公益財団法人長寿科学振興財団/健康長寿ネット/高齢者の病気/ロコモティブシンドローム/ロコモティブシンドロームの診断(https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/locomotive-syndrome/shindan.html)閲覧日:2021年1月22日 ・e-ヘルスネット/栄養・食生活/ 病気の予防・治療と食事 /若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-006.html)閲覧日:2020年12月30日
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著者
酒井 葉子(管理栄養士、東京糖尿病療養指導士)
幼少期にアトピー性皮膚炎で悩み、身体の内側から見直す必要性を感じて管理栄養士に。大学卒業後は、給食管理業務や医療機関での栄養指導に携わり、現在は保健指導やコラムの執筆に従事。食を通して、充実した毎日のサポートを行ってまいります。
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