【いくつ知ってる?】日本各地のご当地おでん

【いくつ知ってる?】日本各地のご当地おでん

あつあつのおでんが入った鍋を、家族みんなで囲む食卓。これぞ「日本の冬の定番!」ですよね。最近ではコンビニおでんも進化し、一人暮らしの人も、手軽におでんを食べることができるようになりました。大根、卵、こんにゃくなどの定番の具材から、タコの足、白子、餃子巻きなどの地域によって異なる具材で、多種多様なおでん。 今回はおでんのルーツと、日本各地のご当地おでんをご紹介いたします。

2021年09月26日

おでんの歴史

おでんのルーツと語源

おでんのルーツは、拍子木型に切った豆腐に竹串を刺して焼いた「田楽(でんがく)」と言われています。この田楽を、宮中などに仕える女房が、「お」をつけて丁寧にし、「楽」を略して「おでん」となったとされています。 ちなみに田楽とは元来、田植え時の豊穣祈願の楽舞のことですが、拍子木型に切った豆腐に串を刺して焼く、という形が田楽舞に似ていることから、「田楽」という名前がついたようです。

おでんの変遷

おでんの起源である「田楽」は、時代によって大きな変遷をたどります。室町時代にはみそ付きの田楽豆腐が広まったとされ、江戸時代に入ると、豆腐の他にナスや里芋、こんにゃく、魚など具材にもバリエーションが出てきます。 現代のような煮込んだおでんが登場したのは、明治期であるとされています。昭和に入ると、おでんは主に屋台や専門店で食べることができましたが、戦後「汁の素」となる商品が販売されると、家庭でもおでんが作られるようになりました。 そんなおでんは、平成に入ると「冷やしおでん」や「ご当地おでん」など、急速に進化を遂げていきます。

独自の進化を遂げた各地の「ご当地おでん」をご紹介!

北海道エリア

〇札幌風おでん 海鮮の幸が有名な、北海道ならではの食材が使われています。 だしの特徴:昆布強めのあっさりだし 具材の特徴:貝類や白子、山菜、マフラー(長いさつま揚げ)など

東北エリア

〇青森風おでん 津軽で作られている「津軽みそ」が活かされたおでんです。 だしの特徴:生姜みそだれ 具材の特徴:たけのこや貝類、白こんにゃくなど 〇仙台風おでん さんまの漁獲量が多い宮城では、さんまのすり身が手に入りやすいことから、おでんの具材にも使われています。 だしの特徴:焼き干しいわしの塩味 具材の特徴:根曲がり竹や結び昆布、さんま団子など 〇秋田風おでん 秋田では、昔から保存食として重宝されていた「ニオサク(正式名称:エゾニュウ)」が使われています。 だしの特徴:甘めの煮物風 具材の特徴:干ししいたけ、さつま揚げ、ニオサク(地場の山菜)など

関東エリア

〇東京風おでん 関東発祥の具材(はんぺん、ちくわぶ、魚のすじ、つみれ)が使われています。関西と違って濃口しょうゆを使っているのも特徴です。 だしの特徴:濃口しょうゆとかつおだし 具材の特徴:練り物(はんぺん、すじ、つみれ)、ちくわぶなど

中部エリア

〇飯田風おでん 長野県飯田市はねぎの産地だったことと、発祥の店とされる「丸現」の店主が大のねぎ好きだったことから、独自の「ねぎだれ」ができたそう。 だしの特徴:ねぎしょうゆだれ 具材の特徴:はんぺん、つみれ、焼き豆腐など 〇金沢風おでん 日本海に面した石川県ならではの、バイ貝やカニ面が使われた、豪華なおでんです。 だしの特徴:色が淡いあっさり昆布だし 具材の特徴:バイ貝、車麩、赤巻、がんもどき、カニ面など 〇静岡風おでん 静岡風おでんの特徴は、なんと言っても黒い汁!具材も、一つ一つ串に刺さっていることがルールなのだそう。 だしの特徴:黒い汁とだし粉(いわしやかつお節の粉と青のり) 具材の特徴:黒はんぺん、なると巻、豚モツなど 〇名古屋風みそおでん 名古屋で作られる、濃い色の八丁みそを使っています。 だしの特徴:八丁みそ 具材の特徴:焼き豆腐、角麩、豚モツなど

関西エリア

〇京都風おでん 京都ならではの、素材を生かしたほんのりとした味付けです。 だしの特徴:昆布だしの塩味 具材の特徴:がんもどき、湯葉、豆腐、里芋など 〇大阪風関東煮 「大阪なのに関東煮(かんとだき)?」と思いますよね。この名前は、東京おでんが大阪に渡ったことが由来とされています。昔から鯨食が盛んだったため、クジラを使っているのも特徴です。 だしの特徴:関東煮に鶏だしをプラス 具材の特徴:クジラ、牛すじ、平天、タコ足など 〇姫路風おでん 昭和の初め頃、白浜(姫路南部)では生姜が生産されていたことと、西の龍野市(現:たつの市)で醤油製造が行われていたことが、生姜しょうゆだれの誕生につながったとされています。 だしの特徴:生姜しょうゆだれ 具材の特徴:平天、牛すじ、ごぼう巻きなど

中国・四国エリア

〇松江風おでん 海の幸が豊かな、松江ならではの具材。青菜が使われているのも珍しいですね。 だしの特徴:あごだしと鶏だし 具材の特徴:旬の魚のつみれ、手羽先、つぶ貝、春菊など 〇高松風おでん 香川県といえば「讃岐うどん」ですが、ほとんどのうどん屋さんの一角には、おでんが置いてあるそう。白みそにからしを混ぜたたれ、赤みそに砂糖を混ぜたたれの2種類でいただくのが特徴です。 だしの特徴:2種のみそだれ 具材の特徴:白天、里芋、牛すじなど 〇高知風おでん 高知名産のかつお節を活かしただしが特徴です。 だしの特徴:かつお節と鶏だし 具材の特徴:じゃこ天、紅かまぼこ、じゃがいもなど

九州・沖縄エリア

〇長崎風おでん 長崎県で獲れる「あご(トビウオ)」を使っただしや、「竜眼」と呼ばれる、卵が丸々1つ入った練り製品が特徴的です。 だしの特徴:あごだしと甘み 具材の特徴:竜眼(ばくだん)、じゃがいも、紅かまぼこなど 〇福岡風おでん 博多では、餃子をすり身で巻いた「餃子巻き」が特徴です。 だしの特徴:合わせだしと牛すじのコク 具材の特徴:餃子巻き、ロールキャベツ、餅入り巾着など 〇鹿児島風おでん 鹿児島と言えば「黒豚」ですね。だしや具材にも豚が使われています。 だしの特徴:豚骨だしと昆布だし、麦みそ 具材の特徴:スペアリブ、棒天、大豆もやしなど 〇沖縄風おでん 沖縄も、鹿児島と同じく豚肉が有名です。特に「豚足(テビチ)」が使われているのも特徴的です。 だしの特徴:かつおだしと豚のうまみ 具材の特徴:豚足、青菜、ウインナーなど

まとめ

いかがでしたでしょうか。全国各地に広がったおでんは、それぞれの地特有の食材で、独自の進化を遂げていますね。今年の冬は、他の地域のご当地おでんを楽しんでみてはいかがでしょうか。 参考文献】 ・紀文/紀文アカデミー/【おでん】教室/歴史:おでんの歴史 ・紀文/紀文アカデミー/【おでん】教室/地理:日本のおでんいろいろ (https://www.kibun.co.jp/knowledge/oden/geography/map/)                           閲覧日:2021年8月1日

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著者

山田 みゆき(管理栄養士)

大学卒業後、管理栄養士を取得。高齢者施設に入職し、給食管理・栄養管理を行う。現在はオンラインでの食事指導やコラム執筆にも携わる。二児の母となり、日々の食事の大切さを改めて実感。「おいしく食べて健康に」をモットーに、食事の楽しさ、栄養の大切さをお伝えしていきます。


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