【どうして?】 1万歩も歩いても体重が増える食生活3つ

【どうして?】 1万歩も歩いても体重が増える食生活3つ

毎日たくさん歩いているのに、一向にやせないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。アメリカの大学で発表された最新の文献では、「歩数を増やすことで体重増加の防止にはならなかったものの、身体的活動の改善が見られた」と発表されました。今回、管理栄養士が食事制限をする前に見直したい、ダイエット効果を半減させる3つの食生活習慣を紹介したいと思います。

2020年05月19日

最新の研究「1日10000歩歩いても体重増加を防げない」の内容とは?

研究方法について

アメリカにある大学にて、大学新入生92名を対象に3つのグループ(1日10000歩、12500歩、15000歩)を無作為に分けました。この実験は、24週間行われ、エネルギー摂取量と体重・体組成を記録。 対象者は、この研究が行われる前に、平均約9600歩歩いていました。実験前からすでに1日に約1万歩歩いていることから、対象者はすでに身体的活動が活発であることがわかります。

研究結果は?

「体重は、歩数増加の影響を受けなかったものの、身体活動パターンに良い影響が認められた」という研究が報告されました。管理栄養士の私の見解としては、歩数を増やすことで、その分消費カロリーが増えるため、やせやすくなることは事実です。 しかし、それでも体重が増えるということは、何らかの食事生活が妨げになっていることが考えられます。また、歩くことで気晴らしになるため、ストレス発散など精神的にも良い影響を与えます。 次に歩くことで消費するカロリーを説明しつつ、歩いているのに体重が増える時に見直したい食生活習慣を紹介したいと思います。

日本人の平均歩数は?

65歳以上は1万歩の約半分の歩数に

平成29年国民健康・栄養調査の結果、歩数の平均値は男性で6846歩、女性で5867歩でした。また、20~64歳の歩数は、男性7636歩、女性6657歩に対して、65歳以上では男性5597歩、女性4726歩と65歳以上は1万歩の半分の結果となりました。 これを反映しても、先ほど紹介した研究の対象者は、研究前から身体的活動が活発であったことがわかります。日本の現状は毎日1万歩歩くのは難しい方が多いため、健康日本21(第二次)では1日15分多めに歩くことから推奨されています。15分多く歩くことで、約1500歩増加すると考えられています。

15分歩くことで消費されるカロリーは?

さて、15分歩くことで、どのくらいの消費カロリーが使われるのでしょうか。 歩く速さにもよりますが、体重70kgの男性で50~70kcal、60kgの女性で45~60kcal消費されます。1日1万歩歩く習慣になれば体重70kgの男性で200~280kcal、60kgの女性で180~240kcalが消費されます。(1万歩で約1時間歩くと計算しました)

ダイエット効果を半減させる食生活習慣3つ

食生活習慣1:夜食

ダイエット中は夜間に食事をするのを避けましょう。できれば、20時までには食事をすませましょう。夜間は消費量が極端にさがり、食べて使わなくなったエネルギーは脂肪として蓄えられるからです。 また、どうしても夜食をしないといけない場合は、脂っこい食べ物や炭水化物はなるべく避けましょう。 【ダイエット中でも大丈夫!】太りにくい夜食スープとは?

食生活習慣2:寝不足

しっかりと睡眠をとっていますか?ダイエットをしている時こそ、十分な睡眠を確保しましょう。寝不足が続くことで、空腹を促すホルモンが食欲を抑えるホルモンよりも分泌が多くなるために、過剰摂取がおこりやすくなります。

食生活習慣3:早食い

早食いは、咀嚼回数がどうしても少なくなってしまいます。咀嚼回数が少ないと、脳が満腹と感じるまでにたくさんの量を食べてしまい、太りやすくなります。 【早食いはもうやめて!】今日から始められる「食べ方改善ダイエット」

まとめ

規則正しい生活を

今回、運動をしているのに体重が増加しているときに見直したい食生活を紹介しました。また、今まであまり歩いていなかった方はいきなりたくさん歩くのではなく、1日15分多く歩くことから始めてみてはいかがでしょうか。 【参考文献】 「1日10000歩歩いても体重増加を防げない」(国立健康・栄養研究所) https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=69509&-lay=lay&-Find.html (アクセス日:3月27日) 「平成 29 年 国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf (アクセス日:3月27日) 「日本人食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf (アクセス日:3月25日) 「身体活動・運動」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html (アクセス日:3月28日) 健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_02.pdf (アクセス日:3月29日)

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著者

ウィリアムズ 早苗(管理栄養士)

大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をしています。私たちが抱えている、食や健康に関しての問題点に注目し、それに向けての解決策の糸口となるようなお手伝いが出来る事をモットーにしています。


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