【7月14日はゼリーの日】意外と知らない「ゼラチン」「寒天」「アガー」の違いって?

【7月14日はゼリーの日】意外と知らない「ゼラチン」「寒天」「アガー」の違いって?

7月14日は「ゼリーの日」って知っていますか?暑くなると食べる機会が増えるゼリー。今回はゼリーの日にちなんで、似ているようで全く違う、ゼリー作りに欠かせないゼラチン、寒天、アガーの特徴について説明します。

「ゼリーの日」の由来とは?

ゼラチンの記念日と同じ

ゼリーの日は、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が、ゼリーを食べる美味しさや作る楽しさを知ってもらうのを目的に、ゼリーを作るときに欠かせないゼラチンの記念日である7月14日をゼリーの日に制定しました。

7月14日はフランス革命の記念日

そもそも、なぜ7月14日が「ゼラチンの日」なのでしょうか。その理由は、フランス菓子や料理にゼラチンがよく使われていることから、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が、フランス革命の記念日と同じ7月14日をゼラチンの日に制定しました。ゼラチンのことをもっと身近に感じて欲しいという想いが、この記念日に込められています。

ゼリーに使う凝固剤は主に3種類

ゼリーは液状のものに凝固剤を加えて固めたものです。主に使われる凝固剤はゼラチン、寒天、アガーです。いずれも液体を固めるために使いますが、特徴がそれぞれ違いますので違いを知っておくとゼリーを作るときに役立ちますよ。

洋菓子に大活躍!ゼラチンの特性

たんぱく質の一種であるコラーゲンから作られる

ゼラチンは牛や豚の骨や皮から抽出される、コラーゲンというたんぱく質から作られます。ゼラチンで固めたものは食感がやわらかく、ぷるぷるとした弾力があります。

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溶ける温度と固まる温度

ゼラチンの使用量は液体の量に対して2〜3%です。たんぱく質が主成分であるゼラチンは、60℃以上に加熱すると、たんぱく質が変性し固まらなくなってしまいます。そのため、溶かすときには50℃〜60℃と沸騰させないようにすることがポイントです。また、固まる温度は20℃以下のため冷蔵庫で冷やし固めます。

一部の果物を使う時には注意

パイナップルやキウイフルーツなど、一部の果物にはたんぱく質分解酵素が含まれているため、生の状態で加えるとゼリーが固まらなくなってしまいます。たんぱく質分解酵素を含む果物を使うときには、果物を加熱してから使うことで、酵素の働きを失活させることができます。また、缶詰であれば製造工程で熱が加えられていますので、そのまま使っても大丈夫です。

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気温によっては溶けてしまうことも

ゼラチンで固めたものは25℃以上になると溶けてしまうため、冷蔵庫から出したら早めに食べるようにしましょう。また、板ゼラチンを水で戻す時は氷水を使いますが、これは戻し水の中にゼラチンが溶け出さないようにするためです。

ゼラチンを使ってゼリーを作ってみよう!

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和菓子に活躍!寒天の特性

海藻から作られる

寒天はテングサやオゴノリなどの海藻から作られていますので、食物繊維が豊富です。ゼラチンのように弾力はなく、食感は固く、口に中で砕けやすく、みつ豆やようかんなど和菓子によく使われます。

溶ける温度と固まる温度

寒天の使用量は液体の量に対して0.5〜1.5%と、ゼラチンに比べて少量で固めることができます。食物繊維が主成分のため、90℃以上でよく煮溶かしてあげる必要があります。固まる温度は30〜40℃と常温で固まります。また、固まった後は60℃以上にならないと溶けることはないため、常温に置いておいても大丈夫です。

酸味のあるものは煮溶かした後に加える

寒天をよく煮溶かす前に、果物や果汁など酸味のあるものを加えると、寒天の固める力が弱まってしまいます。酸味のあるものを使用する場合は、寒天をよく煮溶かした後に火を止めて、粗熱をとってから加えましょう。また、砂糖や牛乳などを使用する場合も同様に、寒天を溶かして粗熱をとってから加えます。

寒天を使ってゼリーを作ってみよう!

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幅広い用途が魅力!アガーの特性

海藻やマメ科の種子から作られる

アガーは食物繊維や多糖類が主成分です。プルッとした食感で、ゼラチンと寒天の間くらいの硬さが特徴です。固めた時の透明度が3種類の中で一番高く、ゼリーやプリン、ムース、水ようかんなど幅広く使用することができます。

溶ける温度と固まる温度

アガーの使用量は液体の量に対して1〜2%です。溶ける温度は90℃以上、固まる温度は30〜40℃と寒天の性質と似ています。しかし、寒天に比べて固まり始めるまでが早いため、容器に移す前に固まり始めてしまうことがあります。加熱後に手早く作業できるように、事前に容器やお皿を準備しておきましょう。

ダマになりやすい

アガーは粒子が細かいため、液体に入れるとダマになりやすいです。そのため、あらかじめ砂糖と混ぜ合わせておいてから使うことで、ダマになるのを防ぐことができます。砂糖を使わない場合は、液体をかき混ぜながら少しずつ加え、均一に溶かしてから加熱しましょう。また、寒天と同じく酸味のあるものは煮溶かしてから加えましょう。

アガーを使ってゼリーを作ってみよう!

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まとめ

作りたいゼリーによって使い分けよう!

これから梅雨が明けて本格的な夏がやってくると、涼しげなゼリーがさらに美味しく感じられる季節になりますね。ゼラチン、寒天、アガーとそれぞれ食感や弾力が異なりますので、自分好みのゼリーを見つけてみるのも楽しそうですね。

【参照】
・総務省統計局、なるほど統計学園、「7月14日 ゼリーの日」
(https://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d0714.html)

・日本ゼラチン・コラーゲン工業組合「ゼリーの日って知ってる?」 
(https://www.gmj.or.jp/memorial_day/jelly_day.html)

・日本ゼラチン・コラーゲン工業組合「ゼラチンの日って知ってる?」 
(https://www.gmj.or.jp/memorial_day/gelatin_day.html)
※閲覧日:2020年5月20日(全て)

・安原安代、柳沢幸江(著)「調理学 健康・栄養・調理(改訂第2版)」アイ・ケイコーポレーション(2016)

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