【11月24日はかつお節の日】日本独自の保存食「かつお節」の歴史はこんなに古い!

【11月24日はかつお節の日】日本独自の保存食「かつお節」の歴史はこんなに古い!

11月24日は「かつお節の日」であることをご存知ですか?かつお節の歴史はとても古く、日本が生んだ『うま味文化』の1つです。今回は「かつお節の日」にちなんで、かつお節の歴史やうま味についてまとめました。おいしいかつお1番だしのとり方もおさらいしてみましょう!

2020年11月24日

『11(いい)24(節)』の語呂合わせ

「かつお節の日」は、かつお節の使い方や上手なだしのとり方などを、もっと多くの人に知ってもらおうという思いから、ヤマキ株式会社によって制定されました。かつお節の切り削り実演販売や、だしの取り方教室などを企画しているそうです。

かつお節の歴史

保存がきくようにするために作られた

その歴史は、およそ1500年前の古墳時代にまで遡ります。かつおは初夏から秋にかけて大量に釣れるので、生のままで食べられない分を乾物に加工する習慣があったそうです。 かつおをそのまま干したもの(堅魚:かたうお)や煮てから干したもの(煮堅魚:にかたうお)、さらに煮堅魚の煮汁を煮詰めたもの(煎汁:いろり)など、当時の人たちは知恵をしぼって、保存がきく乾物を作り上げました。これらが現在の「かつお節」の原型となっています。 平安時代の貴族たちは、早くもお粥を炊く時のだしとして使っていたそうです。

「かつお節」の誕生は室町時代

室町時代になると、干したかつおを煙で燻す技術が考案され、現在の「かつお節」が誕生しました。太平洋沿岸の港には、かつお節を作る小屋が多く建てられ、当時の料理本の中にも「花かつお」という記述がたくさんあることから、この頃にはすでに固いかつおを薄く削って使っていたことがわかります。 みそやしょうゆは中国から伝わった調味料ですが、「かつお節」は私たちの遠い先祖が知恵をしぼって作り上げた、日本独自の調味料だといえるのです。

「かつお節」は縁起がよい

江戸時代に入ると、『勝男武士(かつおぶし)』という語呂合わせから、縁起がよいとされました。 加えて保存がきき、栄養価が高いということから、武家の出陣式や祝勝会などの行事の時に用いられるようになりました。やがて庶民の間でも、結婚式の引出物やお祝い事の贈答品として使われるようになりました。 【11月15日は昆布の日】昆布の種類と特徴を知って、料理をプロ並みの仕上がりに!

だしは日本独自の『うま味文化』

かつお節のうま味は「イノシン酸」

『うま味』とは、およそ100年前に日本人の博士によって発見され、甘味・酸味・塩味・苦味に続く基本味として位置づけられています。さらに、「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」などの物質が『うま味』のもととなる物質であることを発見したのも、日本人の博士や科学者たちでした。 かつお節は、その中の「イノシン酸」という成分による『うま味』を代表するものの1つです。平安時代には早くもお粥をだしで炊いていたように、日本人が生み出したかつお節から、さらにだしをとるという文化も、日本独自の『うま味文化』なのです。 【うま味を賢く活用!】出汁を使った美味しいレシピ5選

おいしい「かつお1番だし」のとり方をおさらい!

<材料> 花かつお 30g 水 1L ①鍋に水を入れ、火にかけて沸騰させます。 ②沸騰したら火を止めて、かつお節を入れます。 ③かつお節が鍋底に沈むまでそのまま置きます。(約1~2分) ④ふきんやクッキングペーパーをしいたザルで静かにこします。 <ポイント> エグみが出てしまうので、かつお節を手でギュッとしぼらないようにしましょう。おいしいかつお1番だしの完成です!

かつお節を使ったおすすめレシピ

ごろっとトマトのかつおだし汁

かつお節をだしとして使うだけでなく、そのまま具材として無駄なく食べられるおすすめレシピです。醤油やみりんで味を整えますが、かつお節を入れることによって和風味で楽しめます。 ▶「ごろっとトマトのかつおだし汁」レシピはこちら

まとめ

日本人の知恵によって生まれたかつお節は、日本が誇るだしの『うま味文化』の1つ。そのおいしさを改めて感じていきたいですね。かつお1番だしのとり方やおすすめレシピも、ぜひ参考にしてみてくださいね。 【参考文献】 ・全国鰹節類青年連絡協議会 情報宣伝委員会/鰹節の歴史 閲覧日:2020年9月6日 (http://www.zenkatsusei.jp/pdf/edu02.pdf) ・ヤマキ株式会社/かつおだし/かつおだしの取り方 閲覧日:2020年9月6日 (https://www.yamaki.co.jp/sp/knowledge/dashi/howto01.html) ・一般社団法人/日本鰹節協会 閲覧日:2020年9月18日 (http://www.katsuobushi.or.jp/02/index.html)

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著者

佐藤 友香(管理栄養士)

1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。


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